ところでこちらのお店。
よく手入れされた庭にとても高い天井、フライファン、インドネシアのオブジェなど、本当に東南アジアの小さな空港に設置されているようなオシャレカフェを思い出させてくれる。
この土地も建物も、自宅兼の作りではないので一から建設したはずだ。
相当なお金がかかっているのではないだろうか。
そんな事にも感心しながら待っていると、やがて料理が到着した。
とてもおしゃれな無国籍料理だ。
画像は、上がアジア風エビの天ぷらのプレートで、下がカシューナッツのプレートである。
メインメニュー以外は同じ内容だが、生ハムサラダ、ペンネの一品、それにキッシュまでついている。
肝心の味だが、エビの天ぷらの衣は、シャーペンと同じような味わいでとてもオリジナリティがある。
シャーペンといえば文房具を思い出すかもしれないが、漢字で書くと龍蝦片。
早い話が、エビチリの付け合せなどに出る、あのえびせんである。
デンプンにエビを混ぜて作られているが、あるいは単純に米粉を使っているのかもしれない。
いずれにせよ、日本の天ぷらとは全く違う味わいで、とても好感度が高いひと品だ。
掛かっているスィートチリソースも絶品で、店主の料理のセンスが窺える逸品である。
鶏のカシューナッツ炒めはややピリッとするので、小さな子供はそのままでは優しくないかもしれない。
とはいえ、大人にはむしろ、もう少しエスニックでもいいと思えるほどに優しい辛さなので安心して欲しい。
お肉は小肉(ねっく、首の肉)で、脂のノリがよく柔らかくて美味しい。
ちなみに、やきとり大吉(生駒市・焼き鳥)の焼き鳥は、このネックが基本だ。
もも肉が基本の鳥料理だが、ネックを美味しく使いこなす店はやはりこちらも好感度が高い。
生ハムサラダ、ペンネの一品も申し分ないが、キッシュがまた絶品である。
専門店で頂くキッシュの味であり、これだけ幅広い料理を高いレベルでまとめるのは、おそらく店主さんは相当な料理好きか、あるいはプロとして修行した経験があるのだろう。
どれも、おしゃれカフェで出てくる、形だけおしゃれな料理ではない。
こちらは本日のデザート。
正直、ここでもまた驚かされた。
なんてことはないバナナクレープなのだが、本当に旨い。
クレープとチョコ、クリームのバランスが良く、またバナナもなにかに漬け込んでいることはわかるのだが、それが全体にとても芯を与えまとまりを付け、高いレベルでデザートとして楽しめる逸品だ。
デザートまでしっかりと作りこんであり、最後まで満足のランチメニューである。
なお店主さんに聞いてみたら、こちらの料理はデザートまで含めて全て自家製で手作りされているそうだ。
正直、デザートは専門の職人から仕入れているのかと思ったほどだが、残念ながらデザートはその日によって違うようなので、訪問した時に必ずクレープが頂けるわけではない。
そこはあしからずご理解をした上で、訪問して欲しい。
なお、これだけのメニューを全て手作りされているとのことなので、
「手間がかかって大変ではないですか?」
とお聞きしたのだが、
「そんな風に思ったことはないですね、毎日のことだからかな。」
とのこと。
さすがにプロである。
しかしそれ以上に、きっと料理が好きなのだろう。
期待以上の味と雰囲気で、とても満足できるとてもおしゃれなアジアンカフェであった。
わざわざ足を運ぶ価値がある良い店なので、近くに行く用事がある際は、一度訪問してみてはどうだろうか。
【店舗データ】
店名:KEBUN(クブン)
所在地:生駒市北田原町2486-1
定休日:火曜日
TEL:0743-78-1128(いいにわ)
営業時間 :8:00~17:00
駐車場:十分あり
子供連れ:OK
Webサイト:ー