以前にこちらの記事でご紹介した、ミシュランガイド2017年版で調査員推奨の店に選ばれたインド・ネパール料理のパリワールである。
メインのメニューはダルバートと呼ばれるプレート料理だが、こちらのお店、お客さんの要望に応じて結構なんでも作ってしまう。
ダルバートやカレー、タンドリーチキンを食べたいからパリワールに来るというのではなく、パリワールのコンセプトでランチが食べたいという スケベ 根強いファンが、お店には多い。
インド・ネパールのスパイスと、無農薬で大切に育てられた野菜を巧みに使いこなすチャーミングな女性店主だが、そんなある日、
「今日の気分はラーメンだから、ラーメンを頼む」
とお客さんから言われたそうだ。
もちろんメニューには無い。
そんな中で、野菜と鶏肉、スパイスを使い作り上げた一品がこちら。
今ではしっかりとメニュー表に載っている、ネパールラーメン900円である。
スパイシーだがほとんど辛味はない。
しかし一口食べると、スパイスものを頂いている時特有の熱が体から溢れ出て、汗が止まらない。
スープのベースになっている旨味の元はおそらく鶏だが、こちらの店主、調味料に白砂糖すら使わないという筋金入りの自然食品主義者である。
1日に何杯でるかわからないラーメンにも関わらず、とても丁寧に作り込まれている味には驚かされる。
鳥の旨みベースで作られたスープはしっかりと旨味が感じられ、巧みに使いわけられたスパイスが旨味を消し込むこと無く、むしろ旨味の名脇役になっていくらでも美味しく頂くことができる。
やはりスパイスは、鳥の旨みと相性がとても良い。
具は鶏肉と各種無農薬野菜。
スパイシーなスープと鶏肉が合わないはずがない。
旨い。
麺は少し舌にざらつく特徴的な麺だ。
つるつるシコシコという喉越しを楽しむ麺ではなく、むしろ少し存在感を主張する触感を楽しむ。
以前、グルテンフリーの材料で打ったパスタを別のお店で頂いたことがあるが、あのような感じの舌触りだ。
ざらつくが不快ではなく、もちろんボソボソ感があるわけでもない。
むしろ面白い食感として楽しめる。
きっと麺にも何かこだわりがある材料を使っているのだと思うが、聞きそびれてしまった。
なおラーメンには、100円プラスでお店自慢のタンドリーチキンも付けることができる。
これもぜひ、ラーメンのお供にオーダーして欲しい。
おそらく日本でここだけでしか食べられないであろうネパールラーメン。
いろいろなラーメンイベントから出品の誘いを盛んに受けるそうだが、今のところ店の経営優先で全てお断りしているそうだ。
この、ネパールのスパイスを巧みに使いこなしたラーメンを食べるには、お店まで足を運ぶしか無さそうだ。
元々はありふれたカレーメインのランチセットを提供するお店として始まったそうだが、お客さんの要望に応じていたらダルバートが生まれ、そのダルバートが評価されミシュラン掲載の有名店になってしまった。
そのようにして、お客さんの喜ぶ顔が見たいという店主のコンセプトのままに、今後も店の形が変わり続けていくのだろう。
その中で生まれた、日本生まれのネパールラーメン。
こちらもぜひ、一度足を運んで楽しんでもらいたい。
【店舗データ】
店名:パリワール (PARIWAR)
所在地:生駒市小明町155-4
定休日:火曜日
TEL:0743-73-7363
営業時間 :11:00~14:00 17:00~20:30
駐車場:5台
子供連れ:OK
Webサイト:公式フェイスブック