ミシュランガイド2017年特別版で調査員お勧めのお店に選ばれた生駒市にあるパリワール。
ミシュランの公式発表によると、ネパール料理店がミシュランガイドに掲載されるのは、日本初ということである。
同じく生駒市からは、スリランカ料理で有名なラッキーガーデンがビブグルマンに選ばれているが、こちらもスリランカ料理でミシュランに掲載されたのは日本初とのことだ。
次は、すぐ近隣にあるインド料理のオーティッカ辺りが掲載されそうな気がする。
今、生駒市のグルメが静かに熱い。
場所は168号線沿いの小明町。
この道沿いのすぐ南にオーティッカがある通りだ。
3分ほど離れた場所、北進して左折すれば同じくミシュラン調査員お勧めのお店に選ばれたフレンチビストロのル・ノールがある。
駐車場は店前に1台と店横に4台分あり、平日であれば満車ということは余りない。
なお、小明町は「こうみょうちょう 」という読み方をする。生駒市小明町(いこましこうみょうちょう)だ。
こあけちょう や こあかりちょう では何回検索してもこの町名は出てこないので注意して欲しい。
とてもチャーミングな女性店主のこだわりは、食事を通してお客さんに健康になってもらうこと。
体の内側から元気になってもらうというコンセプトだ。
もともと飲食業で仕事をしていたが、薬膳料理の研究を重ね、インド・ネパールのスパイスを使い野菜を美味しく頂ける今のお店の形にたどり着いたという。
お店で使う野菜は、亡くなったおじいちゃんが手塩にかけて手入れした完全無農薬の畑から採れる野菜を基本にしているとのこと。
今はお父さんが引き継ぎ、先代と同じように大事に野菜を育て、それをお店で出している。
「収穫だけ、手伝いに行ってます」と、笑顔で話してくれた。
インド・ネパール料理の店だが、今のお店のメインやお勧めのメニューはカレーとナン、というわけではなく、インドのお米「バスティマ」を色々なスパイスで味付けたお肉や野菜で頂けるプレートメニューであるダルバートだ。
メニュー表の右端にあるものだが、野菜を中心にした10種類以上の惣菜とメインのお肉が頂ける。
なおこのダルバート、お客さん同士でシェアしなければ惣菜はおかわり自由とのことだった。
せっかくなのでチキンのダルバートと、ここでしか食べられないであろうネパールラーメンを頂く。
チキンのダルバートだ。
インドのお米であるバスティマは店主いわく「パサパサで糖分が少ないお米」とのことだったが、本当に日本のお米と対極にあるような食感だ。
そのまま食べても、日本のお米のような甘味も粘りもまったくない。
だからこそ、このスパイスと汁気たっぷりのダルバートの味を引き立ててくれる。
肝心の味だが、どれも本当に美味しい。
たまたま隣りにいた女性2人連れのお客さんは、お惣菜を頂くたびに「おいしい!」という感情のこもった感想を何度も言っていたが、同感である。
無農薬で栽培された甘みのある野菜は、どれもスパイスが効いているのにびっくりするくらい野菜の甘さや旨さを失っていない。
いやむしろ、スパイスが効いているからこそ野菜の味が引き立つ。
辛さが無いというわけではないのだが、尖った辛さは一切なく、むしろ甘味の引き立て役としての辛味のような立ち回りだ。
このスパイスの使い方は見事だ。
画像下のチキンも、スパイシーに美味しく仕上げられたインド・ネパール料理の旨さは格別で、美味い。
なお下の画像奥のタンドリーチキンは別メニューのものである。
2つついてくるわけではないので注意して欲しい。
ダルバートの正しい食べ方だが、一番大きなカレーのような汁物は少しづつお米にかけて頂くのではない。
一気に全部かけてしまうのが正しい食べ方だ。
ちょっとずつかけて食べてたら、店主が教えに来てくれたので間違いないのである。
汁気たっぷりにしたバスティマ(お米)を、少しづついろいろなお惣菜で食べ、そして小さな入れ物の汁気のある、少し辛味の聞いたスパイスを足しながら味の変化を楽しもう。
ちょっと今までに食べたことがない、ただ美味しいだけじゃなく、軽く感動できる新しい味の世界が広がる。
こちらはネパールラーメンに100円プラスしてタンドリーチキンをつけたもの。
ネパールラーメンはおそらく日本でここだけであろう。
この料理の紹介は後日、「ラーメン」のカテゴリーで紹介することにし、ここでは割愛したい。
このお店には、健康を求めて本当にいろいろな人が来る。
ランチタイムには男性・女性を問わず一人で食事に来る人も多かったが、聞けば薬膳料理として期待する人の来店も多いそうだ。
元々はカレーとナンがメインのお店だったらしいのだが、お客さんから「この店の調理法で、こんな料理が食べたい」という要望をどんどん取り入れて出すようになった結果、あくまでも現在のところだがダルバートがメインになったとのこと。
女性店主のこだわりは野菜や食材だけでなく、食器洗剤にもこだわり、合成洗剤は使わずすべて純石鹸で洗っているそうだ。
チャーミングな女性だが、お化粧も一切していない。
そんなところにも、体にいいものを提供し、少しでも体に悪いものは出さないというコンセプトの原点が垣間見える気がする。
体に良いというだけでなく、本当に美味しい素晴らしいコンセプトの店であった。
ランチ目的でここまで足を伸ばす価値のある店なので、ぜひ足を運んで欲しい。
【店舗データ】
店名:パリワール (PARIWAR)
所在地:生駒市小明町155-4
定休日:火曜日
TEL:0743-73-7363
営業時間 :11:00~14:00 17:00~20:30
駐車場:5台
子供連れ:OK
Webサイト:公式フェイスブック