トラットリア Magazzino(マガジーノ)|奈良香芝・当麻寺

ミシュランガイドのビブグルマンに香芝市から選ばれたイタリアンレストラン・マガジーノ。

このお店に関してはミシュランより、2012年に開かれたナポリピッツアオリンピックで世界3位(銅メダル)に輝いたピッツアイオーロ(ピザ職人)・野田泰仙(ひろのり)さんが店主を務めるお店、という言い方の方が有名かもしれない。

大会はイタリア・ナポリで開かれ、世界各国から70名以上が参加し、ナポリの伝統を守りながら美味いピザを作る「真のナポリピッツア世界一」の職人を決めるという趣旨で行われたものだ。

審査員には日本人が一人もおらず、また地元ナポリの伝統食であるナポリピッツアを日本人が作り「俺のナポリピザこそ世界一だ!」とアピールしようというのである。

無茶苦茶というか、アウェーにも程があるだろう、という気がするこの大会で世界3位に輝いたというのだから、驚くというよりも呆れるほどの快挙だ。

期待値のハードルがマックスまで上がる。

お店は国道168号線をひたすら南下し、香芝市の田園風景が広がる道路沿いから少し東に入ったところにある。

鎌田の交差点を200mほど過ぎたところ、画面下、左側にそれる道を入っていけば50mほどの場所だ。

道路事情も極めて良く、狭い道路やわかりにくい隘路を通っていくということもない。

168号線を東に入ると、すぐに倉庫を改装したこのような建物が見えてくる。

なお駐車場は店前に7台ほど駐められるが、平日ランチ時でもここに駐車できるのは運がいい、というほどにお客さんでごった返している。

ここが満車の場合、上の画像で50mほどお店の前を通り過ぎ、奥側の右手に第2駐車場があるのでそちらに駐めにいこう。

こちらは11台のキャパがあるが、それでも平日昼間でも余裕がある、ということはない。

かなりの人気ぶりだ。

なお、この画像では店前駐車場ガラガラやないか、というツッコミを受けそうだが、ランチ終了後、車が減るまで粘り強く待ってから撮影したのである。

車がたくさん駐まっててお店の様子がよくわからない、という画像をアップしたくなかったためだが、人気店ではなかなか良い写真を、簡単には撮らせてもらえない。

下の画像はお店の前に広がる田園風景。マガジーノの自家菜園だ。

ここで、お店で使う野菜を自家栽培している。

ランチタイム終了後には、倉庫から水や農機具を片手にお店の方が菜園に入り農作業をされていた。

畑作りから食材の仕込みをしていると言うのだから、凄い。

好きなピザを選び、+300円でサラダとドリンクが付くピザランチがやはり人気があるようだが、せっかくなので薪窯でグリルしたいろいろな食材を頂けるコースも頼みたい。

自家製サラダに季節料理の盛り合わせ、好きなピザとパスタを選び、ドルチェとカフェがついたペアコース5500円をオーダーする。

ピザはやはり定番のマルゲリータを。パスタはアマトリチャーナをチョイス。

なおこの際、「ピザは焼きあがり次第、お持ちして良いですか?」と聞かれるかもしれない。

この時、「はい大丈夫です」と答えるとどうなるか、ライブ感を出しながらお伝えしてみたい。

迫力の石窯は、なんとフロアの中にドンと設置されている。

石窯の前では、店主の野田さんが注文後すぐに生地を伸ばし始め、トマトソースを塗り具材をトッピングしていく。

このライブ感がまた最高のパフォーマンスで楽しい。

写真撮影をお願いすると快くOKが出て、ちょうど私達が頂くピザを焼き始めるとのことだった。

手際よく仕込まれたピザ生地を石窯に並べると、真剣な表情で焼き具合を確かめながら、一通り焼きあがったところでピザの位置をこまめに変え、仕上げに入る。

程なくして美味しそうに焼きあがったピザ。

目の前で世界3位の職人が丁寧に焼き上げていく様子に、期待値が高まらないはずがない。

美味しそうに焼きあがったピザ・マルゲリータが運ばれてきた。

サラダや季節料理などの前菜全てを追い越して、一番に。

前菜よりもピザが先にくるのは斬新過ぎる流れだが、これが「焼きあがり次第お持ちして良いですか?」の意味なのだろう。

ピザを前面に出しているお店なので、逆に腹ペコで一番美味いものを頂けると、好意的に解釈できる。

お店もおそらく、ピザは焼き立て食べごろの、一番美味しいところで食べてほしいという意図なのだろう。

そして肝心の味だが、凄い。

久しぶりに、料理で感動した。

訪問前は、正直言って世界3位といっても、奈良の他の名店と比べてそれほど大きな差が出るとは思えず、期待値を高めていくとガッカリするだろうとすら思っていたが、棒高跳びくらいに高いところに設定した期待のハードルを軽々と上回ってこられた気分だ。

薄手のモチモチタイプで焼かれた生地は口に含むとまず、小麦のよい香りがふわっと口の中に広がる。

そして薪窯で焼かれた生地特有の香ばしさがその後からアクセントになって口いっぱいに広がり、本当に美味しいものを頂いた時特有の、言葉を失う思いがする。

そしてトマトソースとバジル。

両方の食材が全く死んでいない。フレッシュという陳腐な言葉でしか表現できないが、まるで今、摘みたての素材で作ったかのようなフレッシュ感と素材感が凄い。

トマトソースは僅かな酸味に強い甘味が乗っており、爽やかなバジルの香りはピザ全体を上品かつ強烈に演出し、単純なこの料理に強い印象を与えてくれる。

モッツアレラの濃い味、存在感のある触感も負けじと自己主張してくる。

それぞれの食材が強烈な存在感を出しているのに、一つの料理として完全に調和している旨さはまるで、有名奏者が集まって演奏するカルテットを思い起こさせる。

小麦とトマトソース、バジルとモッツアレラだけを用いて作られた皿の上の芸術を見せてもらった気分で、世界3位のピザを心から堪能させてもらった。

コース料理だが、次に出てきたのは季節料理の盛り合わせだ。

前菜のサラダはまだだろうかと不安になる。

一体この盛り合わせの気前の良さはなんなんだろうか。

そのそもイタリアンの前菜で魚が丸々一匹乗っているものなど初めてみたが、左上奥の魚はメバルの薪窯焼きだ。

その手前はブリのグリル焼き。

画面では野菜に隠れて分からないが、その裏にはカツオのタタキ(グリル焼き)まである。

前菜盛りで魚3種が乗っている皿、というボリューム感が凄いが、他にも窯焼きイタリアンオムレツに新玉ねぎの冷製スープなど、食べきれない程の量が乗ってくる。

中でも美味かったのが、自家栽培玉ねぎの薪窯焼きだ。

丸々と1個分、薪窯でグリルされた玉ねぎは甘さが強烈で、玉ねぎの美味さを存分に引き出している。

ピザで満足していたお腹の具合に、この盛り合わせでトドメを刺される。

このタイミングで前菜のサラダが運んでこられた。

もはや前菜ではなくデザートではないかと思うが、自家栽培13種の朝採り野菜に食用ビオラをあしらったサラダを頂かない訳にはいかない。

苦味や甘味、いろいろな美味さを感じさせてくれる瑞々しい野菜。

自家菜園で丁寧に育てられた朝採りの野菜が、不味いわけ無いではないか。

画像手前、赤かぶのような素材は頂くと土のよい香りが口いっぱいに広がる。

新鮮な野菜を頂いていることを強く感じさせてくれる。

そしてサラダを頂き終わるとメインのもう一皿のパスタ、アマトリチャーナが運ばれてきた。

ハッキリ言って順番がメチャメチャである。

でも、そんな順番に不満を感じることもなく、むしろ楽しみながら頂けるのは、やはり店主の心尽くしと食材に対する真摯で誠実な姿勢、真剣さが全ての料理から余すこと無く伝わってくるからだろう。

美味いものを頂きながらだと、大概のことなどどうでも良く感じられてしまう。

ピザがメインの店なのでパスタを甘く見ていたが、こちらも旨い。

トマトソースはピザソースよりもさらに酸味が抑えられているような味わいだろうか。

トマトの自然な甘味が立つトマトソースと、アルデンテに茹でられ小麦の旨さが感じられるパスタはシンプルなだけに素材の美味さがダイレクトに感じられる。

オーナーの料理哲学はおそらく、素材感を強く感じさせながらそれらを上手に調和させる、というところにあるのではないだろうか。

そんな思いが伝わってくる一皿だった。

ドルチェに食後のエスプレッソ。

ドルチェは特に印象に残るところはない。ストロベリーアイスと焼き菓子2種。

もしかしたら凄い素材を使った美味しいものだったのかもしれないが、それ以外の印象が強すぎて余り書くことがない。

美味しかったです、ごちそうさま。

お店入口には、銅メダルやトロフィーが飾られている。

野田さんというピッツアイオーロ(ピザ職人)が作るナポリピッツアが「真のナポリピザ世界3位」とナポリの人が認めたというなら、イタリア料理は実は和食と同じで、食材の美味さをシンプルに引き出すことに、その基本的な価値観があるのではないだろうか。

オリーブオイルやチーズ、生クリームでコテコテに料理をするという印象が、イタリアンやフレンチにはつきまとうが、少なくとも野田さんの作るピザや演出する料理は全て、良い食材を選び抜き、その美味さを最大限に引き出しながら調和させることに基本的価値を置いている料理だ。

意外に、和食との相性は良いのかもしれない。

なおお店は、やはり相当混む。土日はそれに輪をかけて、強烈に混むそうだ。

11時30分~12時00の間のみ、ランチは予約受付してくれるが、10分以上遅刻すると予約が無効になってしまう。

生駒や奈良市から香芝まで、10分のタイムラグで訪問するのは至難の業だが、確実に予約を取った上で、早めに出かけるようにしたほうが良いだろう。

このお店に行くためだけに、香芝まで出掛ける価値がある。

素晴らしいお店だった。

【店舗データ】

店名:トラットリアマガジーノ 

所在地:香芝市鎌田172-1   

定休日:水曜日        

TEL:0745-79-8815       

営業時間 :11:30~14:00 17:30~21:00

駐車場:18台         

子供連れ:OK         

Webサイト:マガジーノ公式サイト 

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