ミシュランガイド2017年特別版で調査員推奨の店に選ばれた、阪奈生駒インターチェンジ近くにある、トリカジイッパイ。
店名はトリカジであり、トリカジ イッパイではないので注意して欲しい。
オープンして間もないころに訪問したが、前衛的な試みは面白かったものの、胸チャーシューはパサつき、無化調のラーメンスープはコクもインパクトも足りず印象からほとんど消えていたのだが、開店した頃とは比べ物にならないほど進化していると聞いていたところ、ミシュランの特別版にまで掲載されてしまっていたとは・・・。
最近お店の行列がすごいとは思っていたが、完全にノーマークだったので満を持して久しぶりの訪問である。
久しぶりに頂く醤油ラーメン。
見た目は以前と大きく変わらないようだが、低温の真空調理でしっとり柔らかに仕上げた鶏胸肉のチャーシューは、かなり完成度が高くなっている。
まったくパサツクところがなくなっており、しっとりとジューシーで、鶏胸肉の真空調理として理想的な味わいになっている。
スープと肉との絡みも良い。
久しぶりに頂くスープの味は不思議な触感だ。
しつこいのにあっさりしている。脂の濃厚さを感じさせるのにまとわりつかない。
丸鶏の旨さを濃厚に感じるが、鳥の旨みが後味に主張しない。
無化調でここまでガツンとくる旨味を作れるのかと、何が変わったのか以前の印象が全く残っていないので分からないが、とにかく旨い・・・。
こちらは塩ラーメンである。
具材の構成は同じだが味がさらに優しく穏やかなスープだ。
魚介系であることはすぐに分かるが、昆布の濃厚な旨味が最初に立ち上がり、潮の香りが後から追いかけてくる。
追いかけてくる旨味が貝類のコハク酸であることはわかるが、貝類らしく無く淡白な旨味なので、素材の構成がわからない。
昆布の旨味を全面に出して醤油よりさらにあっさり仕上げて、幅広い年齢層をターゲットにしていることが窺える。
おかしい、オープン直後にこんな旨いラーメン食べた覚えないぞと、地元民でありながらすっかりノーマークになっていたことを悔やむが、これは何度も足繁く通おうと思える、本当に旨いラーメンだった。
ラーメンに対する考え方や味の採り方は、奈良市にある、安らぎの道沿いのふじ門製麺とよく似ている。
こってりした脂の旨味ではなく、出汁や素材の淡白な旨味を引き出し、素材の旨味にグイグイ引き込まれる和食の技法を取り入れた調理技術で作られた旨味だ。
鶏胸チャーシューと併せて奈良のラーメンに新しいインパクトを与えた一杯だと思うので、今後もどんどん美味しくなる進化に期待したい。
【店舗データ】
店名:トリカジ イッパイ
所在地:生駒市俵口町1093
定休日:月曜・祝日
TEL:非公開
営業時間 :11:00~14:30 18:00~21:00(水・日を除く)
駐車場:5台(不十分、駐車困難)
子供連れ:OK(歓迎)
Webサイト:アメブロにサイトあり