生駒駅と生駒ケーブル線は、実は日本で唯一という称号を持っている。
鉄道路線と地下鉄、それにケーブル線が一つの駅に乗り入れているのは日本でここだけ、という称号だ。
ケーブル線の乗り場は生駒聖天と宝山寺への観光目的で鳥居前駅と称しているが、生駒駅ビルの構内にあり事実上同じ駅である。
生駒山の中腹に住んでいる住民にとっては生活の足だが、生駒市民はもとより観光客にとっては、観光目的の観光列車くらいに思われている。
特に生駒山上遊園地への交通手段としての認識が強い。
人気の客車も犬をあしらったブルと猫をあしらったミケだ。
生駒山上遊園が冬季閉園中でも、駅構内にはミケとブルに入って写真を撮る特設コーナーが設置されている。
毎日の通勤をこの電車で通っている生駒山中腹の住民も多いが、毎朝童心に帰ることができて羨ましい限りである。
通常はミケとブルが同時運行されているが、繁忙期には通常客車が動かされることも多い。
ケーブル線なので上り線と下り線は同時運行されており、ミケが山に登るときにブルが山から降りてくる。
もはや生駒山上遊園地のアトラクションの一つという位置づけである。
生駒山上遊園地は入園料無料であり、乗り物代で稼いでいるのだが、ケーブル車内は車内にも急な勾配がついているから乗っているだけでも楽しい。
ブルの奥はこのように山頂に繋がっている。
画面奥、急に勾配がきつくなり山に登っていくところは、一般貨客車では登れない傾斜になっていることが見て取れる。
線路と線路の間に強力なケーブルが張られており、このケーブルに牽引され山に登っていく。
ちなみに近くにはケーブル線の踏切もあるが、踏切ではケーブルカーが通行後も、運行中はケーブルがすごい勢いで巻き上げられいる。
見た目には結構危険で「危険な踏切特集」としてメディアを騒がせたこともあるが、地元人には見慣れた光景であり、ケーブルに触れようとは小学生でも考えない。
一般客を運行することを目的として開業した日本初のケーブルカーであり、その歴史は古く1918年(大正7年)に設置された。
山頂まで高低差500mほどを駆け上がるが、短い路線にもかかわらず途中で乗り換えが必要な構造になっている。
運賃は、麓から山頂まで360円と一般的な観光ケーブルカーよりも安くなっているので、生駒山上への観光の足として利用すると楽しめるのでお勧めだ。
【施設データ】
名称:近鉄生駒鋼索線(生駒ケーブル)
料金:鳥居前駅から山上まで360円
運行時間:始発9:00など(季節により異なる)
休業日:生駒山上遊園地冬季閉鎖でダイヤが大きく変わる
所在地:生駒市元町1丁目10-1
駐車場:駅前北駐車場30分無料
電話番号:0743-74-3768(鋼索線検車区)
Web:http://www.kintetsu.jp/kouhou/Rireki/A40011.html