生駒市が誇るミシュランガイド掲載のラーメン店、トリカヂイッパイだ。
コッテコテ系が多い奈良県のラーメン業界において、あっさりしたド直球のラーメンスープを巧みに操り、多くの人を魅了する名店である。
小さな店舗に連日多くの人が訪れ、時に入店が困難なこともある。
開店当初、まだミシュランに掲載される前に訪問した際には、未完成の味、という印象だった。
その後、味がどんどん進化し、今の形が出来上がったが、最後に訪問したのは2017年3月。
8ヶ月ぶりの定点観測である。
飲食店は半年もすると大きく味が変わっていることも有り、また新しい工夫が取り入れられていることもあって、たまに訪問するのも楽しい。
なお駐車場だが、店前5台では不十分なのは相変わらずだが、近隣のコインパーキングに駐めると大盛りか味玉がサービスになるそうだ。
これは店内に案内がないので、知らない人も多いのではないだろうか。
上が塩ラーメン全部のせで、下が醤油ラーメン全部のせである。
共にラーメンは750円だが、全部のせは250円。
しめて1000円の高級ラーメンである。
8ヶ月前に比べて感じる違いは、まず麺の食感だ。
以前より固めに締まった印象になっており、より小麦の旨さを感じられる一杯になっている。
季節による違いかもしれないが、小麦のさらに濃く旨く感じられる麺に進化しているように思われる。
一方で鶏チャーシューだ。
こちらは以前に比べパサついており、しっとり感が失われている。
胸肉をパサつかせず、しっとりと頂くには、低温で長時間かけて加熱する以外の方法はない。
なおかつ、70度を越えると一気に固くなるので、温度管理が本当に難しい。
あるいは食の安全を意識したのかもしれないが、以前より調理温度が高くなっているのではないだろうか。
スープの旨味は相変わらず見事だ。
塩は塩の旨味が、醤油は醤油の旨味が感じられる正統派のあっさりスープ。
特に塩は、恐らく貝類のコハク酸も使われているのだろう、あっさりしているのに奥行きのある美味い一杯に仕上がっている。
ところで8ヶ月前とは、決定的に違う点が1つあった。
店主のお兄さん2人が、明らかに接客の気遣いを意識しているということだ。
以前はどちらかと言うと、ほとんど話さず、店内は静まり返っていた。
狭い店内ということも有り、それが重苦しさを感じさせていたのだが、今回訪問した際は、どんな小さなことにでも気遣いの声掛けをし、まるで物販の店員さんのような振る舞いである。
どういう心境の変化かわからないが、さらに気持ちよく、美味しく頂けた気がした。
進化を感じたところ、やや残念に感じたところいろいろだったが、以前より満足度が高まったのは間違いない。
これからも頑張って切り盛りして欲しい。
【店舗データ】
店名:トリカジ イッパイ
所在地:生駒市俵口町1093
定休日:月曜・祝日
TEL:非公開
営業時間 :11:00~14:30 18:00~21:00(水・日を除く)
駐車場:5台(不十分、駐車困難)
子供連れ:OK(歓迎)
Webサイト:アメブロにサイトあり