平群中央公園を歩いていると、冒険広場の近くに西宮古墳という案内板がみえてくる。
テニスコートの裏手、冒険広場から少し下がった辺りだ。
奈良や滋賀は西暦500~600年頃の古墳時代に政治の中心だったため、そこらじゅうに古墳がある。
そして大体、古墳のあるところは見晴らしのいい丘の上のような場所なので、ピニクニックの定番になっていたりする。
1400年前のご先祖様も、見晴らしのいい気持ちのいいところで永遠の眠りにつきたかった気持ちは同じらしい。
特に迷うこと無く、古墳はすぐに見つかる。
古墳が珍しくない畿内とは言え、石棺室まで歩いていけるタイプの古墳は初めてだ。
これはかなり珍しいのではないだろうか。
無造作にも感じるが、傍らに祠を建立し先人の霊を慰める心遣いはどこかほっとする。
石棺は兵庫県から運ばれたものと判明しているそうだ。
埋葬者は7世紀後半頃の人物とのこと。
すぐ近くの奈良の飛鳥地方では、大化の改新に着手され律令国家として日本が本格的な発展を遂げようとしている頃だ。
飛鳥地方から見て平群は西北にあたり、大阪平野に抜ける要路。
きっと当時、権勢を振るった有力な豪族が埋葬されているのだろう。
石棺内部まで行くことが出来るが、写真撮影はここまで。
1400年前の先人の墓。
何世代前か、気の遠くなる程の先人の生きた証に厳かな気持ちにさせられる。
横から見るときれいな方墳になっていることがわかる。
それほど大きくないので、天皇家に伝わる人物というわけではないのだろう。
兵庫県から切り出した巨石をここまで運び込む財力。
古代日本も、案外今と変わらない穏やかな毎日だったのかもしれない。
【施設データ】
料金:入園料、駐車代共に無料
開園時間:9:00~17:00
休園日:無し
所在地:生駒郡平群町福貴72
駐車場:十分有り
電話番号・・・0745-45-6550