最近、1000円以下で食べられるランチを開拓中である。
お店はどこまで安く、それでいてどこまで美味しいものを出すことができるのか。
そんなお店に会えればと思いやってきたのがここ、すし処すぎ。
板前寿司屋だが、某グルメ系大手サイトにも、駐車場があるのか、定休日がいつなのかすら載っていない。
飲食店情報はすぐにネットで拡散してしまう時代に、かなりのレアキャラだ。
場所は大宮通りを一筋南に入ったところで、大宮小学校の裏側、少し西側にある。
ちなみに駐車場はない。
一番近い時間貸し駐車場(コインパーキング)は画面奥の右手、製菓材料の店である粉源の横にある。
60分200円なのでそれほど高いということもない。
そこから歩いて2分の距離だ。
お店の入口横にある窓には、なかなか衝撃のプライスが貼ってある。
寿司屋の天丼が500円、持ち帰りなら400円・・・?!
寿司定食が700円で寿司天ぷら定食1000円。
一体どんなものが頂けるのだろうか。
お店の中にもメニュー表らしきものはない。
天丼は海老2匹に野菜2つ、魚一つで昼も夜も500円と衝撃プライスであることが改めて書いてある。
ランチはどうやらこの中から選ぶようだ。
昼は1時30分までで、2時に閉店となかなか強調して書いているのは、2時を過ぎても居座るサラリーマンが多いからだろうか。
何にせよオーダーである。
衝撃の500円天丼は頼まない訳にはいかないだろう。
他に寿司屋なので寿司天ぷらセットも試してみたい。
それから寿司屋なので、お造り定食も頼むべきだ。
全部頼んでしまおう。
上から天丼500円、寿司天ぷら定食1000円、お造り天ぷら定食1000円である。
ちなみにご飯とお吸い物はお代わり自由だ。
セットには全て、鮭のあらのお吸い物と半熟たまごのサラダ、お漬物がついている。
500円の天丼としては予想以上に美味しそうではないか。
まずお吸い物を頂くと、わかめがムッチリしてて肉厚で旨い。
失礼ながら、値段を考えると乾燥わかめをお湯で戻したたぐいかと思っていたが、しっかりと良い生わかめだ。
鮭のあらで出汁を取ったお吸い物も旨い。
天ぷらの海老はさすがに細くて小ぶりだが、コストを考えると十分コスパが良いといえる。
野菜はししとうとさつまいもだが、どちらも美味しく揚がっている。
白身魚も申し分ない。
お造り定食のお刺身だが、これは本当の意味での「寿司屋のランチ」だ。
形が結構ばらついている。
夜の仕込みなどで柵を整形する時にでる切れっ端をメインに使っているのだろう。
とはいえ、鯛は皮を湯霜づくりにしており、脂がたっぷり乗った鯛の一番うまい部分を美味しく食べられるように工夫している。
本当に切れっ端の部分だったが、今の季節(7月)に一番うまいハモも入っている。
マグロも小さな形の悪いところはおそらくミナミマグロか本マグロだ。
そういう意味で、本当にお寿司屋さんがランチに安く出せる「わけがある」ランチだと言えるだろう。
しかし、味は普通に旨く、値段を考えると十分アリだ。
お寿司の方は切れっ端を使うわけにはいかないので、しっかりと握られている。
ネタに特筆するところは無いが、やはり鯛の湯引きは旨い。
ご飯(シャリ)がかなり大きめに握られているので、やや寿司としてはシャリの旨さが前に来すぎている感がある。
おそらくたくさん食べて欲しいという店主の優しさなのだろう。
しかし、ネタもシャリも大きいとややお寿司が野暮ったくなってしまうようだ。
とはいえこちらも1000円である。
天ぷらなしであれば700円だ。
テーブルには淹れたてのコーヒーがボトルに入れて置かれており、食後のコーヒを好きなだけ楽しむことができる。
ご飯もお吸い物も、食後のコーヒーまでおかわり自由でこのお値段はかなり良心的だ。
価格設定もあるのだろう、平日昼間から次々とたくさんのお客さんが入っていた。
大繁盛である。
ちなみに、周囲の注文に耳をそばだてて聞いていたが、寿司定食を頼んでいるお客さんは1人もいなかったようだ。
コスパと内容を考えれば、お造り天ぷら定食が一番オススメではないだろうか。
なおお店の定休日はランチが土日休み、夜は日曜日のみ休みである。
土日に訪問してもお昼はやっていないので、併せて注意して欲しい。
【店舗データ】
店名:すし処すぎ
所在地:奈良市大宮町4丁目253−3
定休日:日曜日・土曜日ランチ
TEL:0742-35-2625
営業時間 :11:30〜13:30 18:00〜21:00
駐車場:無し(本文参照)
子供連れ:OK
Webサイト:-