富雄駅前の、すっかりゴーストタウンと化したグルメシティの一角に、ステーキ、海鮮一品料理などでワインを楽しめるおしゃれな店がある。
鉄板キッチンcona(コナ)だ。
某有名グルメサイトには、お好み焼き・焼きそばのお店として掲載されてしまっており、イメージがそっちに持って行かれているのだろう。
コメントも少なく口コミを書く人も少ないが、フォアグラやステーキ、海老のアヒージョなどワインと合う定番海鮮料理などが頂ける、かなり本格的なバルだ。
そのためこの記事は、イタリアン・フレンチの記事として分類している。
お好み焼きや焼きそば、リゾットなどの軽めのランチに加え、鉄板ステーキの贅沢なランチもチョイス可能など、選択の幅が広い。
ただ、一番上に焼きそばとお好み焼きを書いてしまっているので、やはりイメージがそっちになるのは仕方ないだろう。
富雄のおしゃれなマダムたちは、お好み焼きや焼きそばというとランチに足を運ばないかもしれないが、鉄板リゾットをもう少し目立つようにすればさらにたくさんの人が来るのではないだろうか。
それにしても、富雄のこの一角はグルメシティとは名ばかりで、ミシュラン特別版に掲載された臥龍坊 (ウォロンファン)と王将が長続きしている以外はほとんどの店が撤退した。
完全にゴーストタウンと化しているビルもある。
富雄駅前はこれだけグルメタウンとして認知されているのだから、この一角も再開発を行い新たに飲食店を誘致すればいいと思うのだが。
そうすれば、あまのじゃくやみつ葉に並ぶのが嫌になったお客さんが流れてくるかもしれない・・・そんなことはないか。
ランチは1000円のセットか、ハンバーグもしくはステーキのセットを選ぶ。
お好み焼きや焼きそばを頼むべきなのかもしれないが、鉄板リゾットという他ではなかなか見ないメニューが目を引く。
レアでも頂けるという、黒毛和牛100%ハンバーグも良さそうだ。
結局この日は、鉄板リゾット~バジル&シーフードと、黒毛和牛ハンバーグセットを注文。
通常メニューの一例と、ワインリストの一部だ。
値段も安く、ワインも豊富で、夜もかなり楽しめそうなお店である。
店内は「お好み焼き屋さん」というよりも、外見からは想像もつかないおしゃれなバルと言った雰囲気になっている。
若者が彼女を連れてデートに来ても、十分喜んでもらえそうなお店だ。
席は4人掛けが5つとカウンター8席。
訪問時はテーブル席は3つ埋まっており、若い女性客が目立った。
注文しているのはやはりリゾットやお肉が多く、焼きそばやお好み焼きを頼んでいる人は居なかったようだ。
こちらはセットに共通のサラダとスープ。
鳥の胸肉のタタキをジンジャーソースでしっとりさせたサラダと、コーンの粒感を残したポタージュ。
鳥の胸肉はしっとりと柔らかく、パサつきもせず固さも感じない。
ジンジャーソースも鶏肉に良く合っており旨い。
いい材料を使い、しっかりと料理に取り組んでいるシェフのコンセプトが伝わる。
こちらは鉄板リゾット~バジル&シーフード~だ。
比較するものが無いのでわかりにくいが、結構な量がある。
大振りな海老3匹にタコとイカが入ったリゾットだ。
そして、旨い。
リゾットには甘口のワインをふんだんに使っているのだろう。
僅かに広がるワインの甘みとお酒の香り、控えめに和えられたチーズ、バジルの香りが一体になり、美味さを作り出している。
材料を選び抜き、手を抜かず作り込んでいる美味しいリゾットだ。
旨いものが頂ける予感がして吸い込まれた店であったが、これは大正解だった。
こちらは黒毛和牛100%のハンバーグ。
店員さんいわく、「ぜひレアで召し上がって下さい」とのことだったので、おすすめどおりにレアで注文。
画像ではわかりにくいが、玉子の黄身の色も、見ただけでわかる良い卵を使っている。
どれぐらいレアかというと、これくらいレアである。
火は通っているものの、赤身ががっつりと残っている。
普通のハンバーグであれば保健所がすっ飛んできそうなレベルだ。
肝心の味の方であるが、こちらも旨い。
粗挽きではなく、しっかりと挽いた肉を使っているにも関わらず「肉々しさ」が凄い。
頂くと、肉の弾力が歯を押し返してくるほど、肉を頂いている食感と旨味が口の中にひろがる。
ハンバーグで人気を博しミシュランにも掲載されたならまちの「洋食春」のハンバーグは、そのあふれ出る肉汁と、柔らかでありながら肉の質感を感じさせ、客を楽しませる一品だが、conaのハンバーグは肉々しさの直球勝負だ。
赤身肉がメインだが、決してパサつくことはなく、固いというわけではない。
ただただ、黒毛和牛の肉の旨味を存分に楽しめる、本当にうまい一皿だ。
シェフの力もあるのだろうが、何よりも材料選びに真摯であり、そして良いものを贅沢に使い料理に取り組んでいるお店だ。
某有名グルメサイトではほとんどコメントが付いていないのが不思議な気もするが、そう言えば東生駒の居酒屋、「魚の台所」もかなりハイレベルな店なのに、コメントが1件も付いていない。
余り目立たない良い店を発見できたのは、なかなか嬉しい。
次は夜に来て、フォアグラ串とワインを注文してみたい。
【店舗データ】
店名:鉄板キッチンcona(コナ)
所在地:奈良市富雄元町2-6-47
定休日:水曜日
TEL:0742-41-2351
営業時間 :11:30~15:00 17:00~24:00
駐車場:無し(近隣コインP多数)
子供連れ:OK
Webサイト:cona公式facebook