しじみ料理や近江牛など、滋賀の郷土料理・湖国料理を頂けるお店が滋賀県大津市の石山にある。
名前は洗心寮。なんとも美しい名前の和食店で、不思議な魅力を感じる店名だ。
お店は琵琶湖から流れ出る唯一の川・瀬田川沿いにあり、奈良や生駒からは京奈和自動車道を使い、京滋バイパスに乗り換え、石山インターで降りれば3分のところにある。
穏やかな瀬田川沿いの流れが見渡せる場所、遠くには比良山系をのぞむ。
新緑の季節も緑が美しいが、冬には冠雪した比良山系がなんとも美しい場所だ。
お店のすぐ目の前が石山寺なので、あるいは宿坊を意識した店名であるのかもしれない。
駐車場は瀬田川の川沿い、画面左の、建物の下側にある。
お寺の門前町で頂ける、滋賀県の郷土料理を贅沢に頂ける和食店だが、価格設定はかなりお手頃だ。
しじみ釜飯にうなぎ、滋賀のおばんざい3種に炊き合わせや鯉の洗い、天ぷら各種などがついた一番高いコースの夕照でも3240円だ。
近江牛のヒレ肉を贅沢に網焼きで頂けるコースも2700円で、ちょっと他では頂くことが出来ない内容と値段になっている。
目の前に流れる瀬田川はボート競技と練習のメッカでもあり、ボートの解説や石山寺ゆかりの人物の豆知識など、釜飯が炊き上がるまでを風流に過ごせる。
なおお店は個室もあるが、予約限定。個室料は90分無料だが、90分を越えると飲食代の10%が別途掛かるシステムになっている。
個室もいいが、通常客席の大きな窓から広がる瀬田川と比良山系の遠景を楽しむのも、どちらもお勧めだ。
上が近江牛ヒレ肉がメインのはぎ、2700円。下2枚が滋賀の郷土料理全部入りの夕照3240円だ。
安い店や新興店の中には、近江牛とは名ばかりのかなり質の悪い肉を出してくる所も多いが、洗心寮で頂く近江牛のヒレ肉は、全く脂が乗っていないのに驚くほど柔らかい。
箸でちぎれるとはまさにこのことだが、脂ギトギトで切れるのが当たり前のロースやバラではなく、脂の無いヒレでそれができるのが凄い。
味もシャトーブリアンに近い甘い香りが鼻に抜け、柔らかさと美味さが口の中に広がり、美味しい肉を頂いている口福を感じる。
天ぷらやサラダ、ご飯にミニうどんまでついており、至れり尽くせりの贅沢な膳だ。
夕照は滋賀県らしいお惣菜が全部盛りになっており、瀬田の名物瀬田しじみの釜飯がメインだ。
かつては旨いしじみが採れることで有名だった瀬田川だが、近年の漁獲高は一般家庭に流通するような規模ではなくなってしまった。
貴重な食材を贅沢に使ったご飯を心して頂く。
鰻や鯉の洗いも、やはり滋賀県らしい贅沢な食材だが、残念ながらうなぎは静岡のものをつかっているそうだ。
滋賀県でも天然うなぎは採れるが、養殖はしておらず、値段を明記している飲食店はほとんどなく時価になっている。
さすがにこの値段で、琵琶湖の天然うなぎまで期待するのは無理というものだろう。
鯉の洗いは淡水魚らしい臭みが全くない。
煮豆やしじみの炊合せも、地の料理を頂いていると素朴な美味しさに心落ち着く。
店の正面すぐの場所には石山寺がある。
紫式部ゆかりの石山寺は、源氏物語の構想を練るために7日間参籠したことで知られる名刹だ。
奈良時代に聖武天皇の命で建立された歴史あるお寺であり、多くの国宝や重要文化財を擁していることから観光シーズンには多くの人で賑わう。
比良山や琵琶湖バレー、琵琶湖のマリンレジャーなどを楽しむ道すがらに、奈良や生駒からは車で1時間ほどで行ける距離だ。
石山寺参詣と瀬田川や琵琶湖散策のついでに立ち寄り、滋賀の郷土料理を味わうには最高に良いお店なので、近くに行くことがあれば立ち寄ってみてはどうだろうか。
※なお、お店の営業時間は、googleマップに表示される情報では9:00~21:00となっているが、お店は17:00までしか営業していない(2017年6月現在)。
ディナー営業は無いので、注意して欲しい。
【店舗データ】
店名:洗心寮
所在地:滋賀県大津市石山寺3-1-9
定休日:不定休
TEL:077-537-0066
営業時間 :9:00~17:00
駐車場:店下などに有り
子供連れ:OK
Webサイト:洗心寮公式サイト