ミシュランガイド2017に選ばれたランチも楽しめるそば処、吟。
星無しの特別版だが、生駒市では山の神とこちらの2店舗が蕎麦屋さんで選ばれた。
暑くなる時期にはもりそばを。冬はダシの利いたかけそばを頂くと、やはりほっとする。
日本の大事な食文化だ。
お店は学研北生駒駅の近くに広がる住宅地の中だ。
普通の民家が立ち並ぶ地域にあり、道路では子供たちがボール遊びをしている。
車で訪問する時にはくれぐれも、最徐行で走って欲しい。
お店のお客さんが近隣に迷惑をかけてしまえば、お店も営業できなくなるので、こういった立地のお店に向かう時にはマナーには十分注意をお願いしたい。
お店の入口横には製麺所がある。
こちらで粉を挽き、そばを打っているのだと思うが作業を見ることはできなかった。
なお駐車場は店横に5台あるが、土日限定の10割そばを求めて結構お客さんが来るので、駐車スペースは十分とはいえない。
お店はこじんまりとしており12人で満席なので駐車スペースとしては十分なはずなのだが、予約無しで向かうと満車の可能性が高いだろう。
予約をして混雑状況を確認してから出かけた方が良い。
お店の基本は蕎麦8割につなぎ2割の二八そばだ。
十割そばは土日限定で、早い時間になくなるのでお目当ての時には 予約し、早めに出掛けたほうが良いだろう。
吟御膳1400円も、土日の13時にはまず売り切れている。
なお十割そばはもりそばやかけそばに限らず、全てのメニューで400円プラスすることで二八そばを十割そばに変えることができる。
例えば天ざるそば1700円を十割そばで頂きたい場合、2100円で提供してくれる、という感じだ。
聞けばまだ、この日は十割そばが残っていたので、せっかくなので天ざるを二八蕎麦と十割蕎麦で頂くことにし、変わり種のイベリコ豚のつけそばも頂くことにした。
上からイベリコ豚のつけそば、天ざる二八蕎麦、十割蕎麦だ。
イベリコ豚のつけそばは二八蕎麦で頂いたが、やはりつけ汁の存在感が強すぎて蕎麦の香りや味わいは上書きされてしまう。
旨いには旨いが、豚の脂の旨味なので蕎麦を味わいたい人には不向きだろう。
続いて二杯蕎麦と十割蕎麦の違い。
光の加減でわかり辛いが、十割蕎麦はやはり淡い緑色が二八蕎麦にくらべて濃く、二八蕎麦はより白く見える。
つなぎは小麦粉なので当たり前といえば当たり前だが、十割のほうが蕎麦の色が濃い。
頂いてみると、こちらのお店は二八蕎麦でも十割蕎麦でも、どちらも蕎麦の味わいが濃く、香りも強い。
特に十割蕎麦は蕎麦の風味が濃厚で、表面は少しザラッとしており麺には締りがあって固い。
一方で二八蕎麦は蕎麦の味わいと香りは十分に感じられながら喉越しが心地よくツルッと食べられる。
夏の暑い時でもいくらでも食べられる、昔ながらの美味しい蕎麦だ。
カツオの旨味が強く感じられる出汁も旨い。
2017年にミシュラン特別ガイドに同時掲載された同じそば処の山の神と比べると、こちらのほうが蕎麦の味わいは濃厚で香りも感じられるかもしれないが、蕎麦湯はかなりあっさりしたものだった。
一方で山の神は、お蕎麦はのど越しよく頂けるさっぱりタイプで、食後に楽しむ蕎麦湯はかなり濃厚な蕎麦の味わいだった。
そちらの記事でも書いたが、山の神では蕎麦湯を頂いている時の方が、濃厚な蕎麦を頂いているように感じた。
おそらく茹で方の違いなのかもしれないが、暑い時期には蕎麦の風味を麺にしっかり残すか、蕎麦湯で楽しむのか。
お店ごとでのコンセプトの違いなのではないだろうか。
暑いとは言え、まだ体力までやられていないこの時期(5月)には、のどごしの良さも捨てがたいが、やはり濃厚な十割蕎麦のほうがオススメかもしれない。
ミシュランに掲載されているということで盲信する気は全くないが(実際に、昔からよく知っているかなりお粗末な寿司店が2017年版に掲載されており、驚いた)こちらのお店は本当にうまい蕎麦が頂けるのでオススメだ。
なお客席はまさかの巨大円卓1つ。
12人掛けで、部屋は一般の民家を改装したような作りになっているので初訪では驚くかもしれないが、それを含めて味わいがある。
暑い時期に蕎麦を手繰りたいと思ったら、ぜひ足を向けて欲しい。
【店舗データ】
店名:そば庵 吟
所在地:生駒市真弓1丁目3-16
定休日:水曜日・火曜日夜
TEL:0743-79-0713
営業時間 :11:00~14:00 17:00~20:00
駐車場:5台
子供連れ:OK(歓迎)
Webサイト:http://sobagin.com/