奈良県明日香村にある「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」において、出土し修復を終えた壁画の一般公開が開始される。
期間は2017年5月14日(日)から6月11日(日)まで。
壁画は、青龍、白虎、朱雀、玄武の4神が描かれていることで有名だが、天井に描かれている天文図も非常に価値が高いことでも知られ、現存する天文図ではアジアでは最も古いものとされている。
天文図は3つの同心円上に描かれ、一年中観測が可能な天体を内規(もっとも内側の円)に。
外規(もっとも外側の円)と赤道(中心の円)の間には、季節ごとに見え方が変わる星座が配された形で正確に描かれており、西に月像、東に日像が配されるなど、精緻な天体観測を元に描かれたものであることがよくわかるものになっている。
なおこの天文図は、描かれている星座と見え方などから、残念ながら古代飛鳥時代の奈良の空を写し取ったものではなく、北緯34度、すなわち中国の洛陽や長安で観測された天体であるとする学説が一般的だ。
埋葬者が愛した奈良の空を石室に再現した、という単純なものでは無いのかもしれないが、森羅万象を愛し、美しい星空を金箔を用いて再現し故人を送った古代飛鳥人の価値観は、今の私達にもしっかりと受け継がれているようだ。
なおこの一般公開は無料で参加できるものの、入場者数は限られており、事前に登録した人のみ観覧することができる。
公式サイトの情報更新は中途半端になっており、「応募方法」のタブをクリックすると、2017年4月16日で申し込みを締め切ったような書かれ方になっているが、これは第1次公開の時のもので、今回は第3次の公開だ。
公式サイトの「応募フォーム」をクリックすると、現在の応募状況と応募に必要な情報を入力するページが開かれ、申し込むことができるようになっている。
第3次公開期間は2017年5月14日(日)から6月11日(日)まで。
この記事をポストした2017年5月13日現在の空き状況だが、期間中の土日はほぼ全ての枠で定員に達してしまっている。
6月10日(土)と11日(日)に関しては、まだ全日で枠が開いているが、埋まるのは時間の問題だろう。
見学希望の場合は早く申込んだほうが良い。
5月20日(土)と21日(日)は全枠が定員に達しており、今からの申込みは不可能な状態だ。
なお、今回公開されるのはキトラ古墳の東壁部分で、四神の青龍と寅、十二支が描かれている場所だ。
その他の壁画などについても見学をしたいところだが、キトラ古墳壁画体験館「四神の館」には地下展示室があり、出土した造形物のレプリカや時代背景、埋葬者や古墳に関する展示が為されているので、キトラ古墳を通した明日香の古代ロマンは十分に楽しむことができる。
インターネットからの応募でも良いが、電話受付のほうがすぐにエントリーできるようなので、可能であれば電話で応募したほうが良いだろう。
なお電話応募の場合、応募先は06-6281-3060だ。
まだ定員に余裕のある枠の場合、インターネットでも良いだろう。
その際は、下記の公式サイトから「応募フォーム」をクリックして必要事項を記入し送信しよう。
なお繰り返しになるが、「応募方法」タブを見ると、すでに募集は締め切っているかのように説明されているが(2017年5月13日現在)、これは情報の更新がサボられているだけなので諦めないで欲しい。
空き時間と定員の空き枠が一致する日時があれば、古代明日香ロマンの見学に、足を運んでみてはどうだろうか。
【イベントデータ】
名称:キトラ古墳壁画 一般公開
開催場所:キトラ古墳壁画体験館「四神の館」
所在地:奈良県明日香村阿部山67
日時:2017年5月14日(日)~6月11日(日)
開催時間:9:30~17:00
問合せ先:06-6281-3060
料金:無料
駐車場:僅かだが有り(無料)
目安所要時間:65分
Web:キトラ古墳壁画体験館公式サイト
※所要時間の目安は生駒駅から普通乗用車を使った際の最短時間
※画像は全てイメージ