バラと温泉で有名な富雄にある登美山鼻高・霊山寺。
その美しいバラ園が見頃を迎える毎年5月中旬に薔薇会式(バラfesta)が開催されるが、2017年は5月21日13時から行われることが霊山寺の公式Webサイトで確認できる。
このイベントでは、少年・少女たちによる鼓笛隊と合唱を先頭に、十二支のお面を付けた天平装束の一団が練り歩き、僧侶や稚児などが続く。
ご本尊である薬師如来に美しく咲いたバラの花を献花し、人々の健康を祈願する行事だが、ピンクや赤といった定番のバラから品種改良された青いバラまでが楽しめるとあって、毎年多くの人で賑わう。
霊山寺は病気回復や健康・家内安全にご利益があるとされているが、その歴史は古く、平城京・聖武天皇の時代まで遡る。
もともと富雄一帯は、遣隋使で有名な小野家(小野妹子)が治めていたが、その息子とされる小野富人が官を辞しこの地に隠居した際に薬湯を開き、鼻高仙人と呼ばれ尊敬を集めていた。
そして時代は下り、聖武天皇の皇女・孝謙皇女(後の孝謙天皇)が病を得た際に、鼻高仙人が枕元に立たれて薬湯療養を告げられ、さっそくその通りにしたところすぐに回復したことから、聖武天皇が行基に命じて建立させたのが霊山寺だ。
734年のこととされてるので、すでに1300年近い歴史があることになる。
なおこれは、行基が奈良の大仏建立の責任者となり着手を始めた745年よりも、さらに10年以上前のことだ。
そんな歴史のある霊山寺だが、今も境内には薬湯(温泉)がある他、有名なバラ園の他にゴルフ練習場まである、かなり変わったお寺だ。
バラ園は1200坪もの広さがあり、200種類2000株が一斉に美しい花を咲かせる。
薔薇会式は5月21日限りのイベントだが、ばらfestaはバラの見頃が続く6月上旬まで開かれており、期間中はローズティーやローズコーヒーなどが味わえるティーテラス、「プリエール」がバラ園に設置される。
バラ苗の販売が行われることもあるので、バラ好きにはとても魅力的なフェスタだ。
なお霊山寺は本堂が国宝に指定され、薬師如来像や三重塔など境内施設の多くが重要文化財に指定されており、文化財としての価値も非常に高い。
聖武天皇以来の「パワースポット」に参拝し家内安全と家族の健康を祈願しつつ、天平文化の色合いが強く残る文化財の数々とバラの美しさのコントラストを楽しみに、富雄の霊山寺まで足を運んでみてはどうだろうか。
【イベントデータ】
名称:霊山寺 薔薇会式(バラfesta)
開催場所:霊山寺
所在地:奈良市中町3879
日時:2017年5月21日(日)
※ばらfestaは6月上旬まで開催中
開催時間:8:00~17:00(バラ園開園時間)
問合せ先:0742-45-0081(霊山寺)
料金:大人600円 子供300円
駐車場:150台(無料)
目安所要時間:15分
Web:霊山寺公式Webサイト
※所要時間の目安は生駒駅から普通乗用車を使った際の最短時間
※写真は全てイメージ