三面六臂の国宝・阿修羅像で有名な世界遺産・興福寺で、2017年の特別国宝展が開催されている。
奈良時代に作られたと伝わる阿修羅像は、その優しいお顔、強い意志を湛えた力強い眼差しはまさに国宝にふさわしく、とても1000年以上前に制作されたとは思えない。
普段仏教文化や仏像、お寺巡りに全く興味がない人でも、ぜひ一度拝観して欲しい日本の宝だ。
阿修羅像から仏像巡りにはまる人も多いと言われているので、生駒市や奈良県下に住んでいながら、まだ興福寺の阿修羅像を拝観したことがない人がいれば、ぜひ一度は足を運んで欲しい。
なお、上記で使っているアイキャッチ画像は薬師寺だ。
アイキャッチに使える興福寺の画像がなかったので、どうかご容赦をお願いしたい。
2017年度の国宝展は、3月15日(水)~6月18日(日)までを前期として。
9月15日(金)~11月19日(日) までを後期として開催される。
興福寺が持つ国宝の点数は実に45点。
重要文化財も45点を所有し、お寺自体も1998年に世界遺産に登録されている。
そんな興福寺だが、創建は天智天皇の治世・669年まで遡る。
大化の改新の中心人物として知られる藤原鎌足の子息・藤原不比等によって建立された寺で、元々は京都の山科に創建されたが、平城遷都の710年にあたり現在地に移築された。
興福寺の号になったのもこの年で、それ以前は「厩坂寺」「山階寺」の名称で呼ばれていた為、実質的な創建は平城京遷都の年と言えるだろう。
藤原氏ゆかりのお寺であっただけに平安時代から中世にかけて絶大な権力を持つに至ったが、明治維新の際に布告された廃仏毀釈にあたり徹底的にその寺勢が弱められ、興福寺の五重塔も二束三文で売りに出された逸話は有名だ。
その後五重塔は、買い手によって解体され薪にされるところだったが、その他の建造物と併せ地元住民たちの強い保全運動が巻き起こり、主要な建造物は損壊を免れ現在に至る。
奈良時代から受け継がれる、悠久の歴史がある興福寺。
その歴史に思いを馳せながら、国宝・阿修羅像をはじめとした仏教文化と国宝の数々を日帰りで手軽に拝観できるのは、奈良県民の特権とも言えるだろう。
2017年現在、国宝館は耐震工事中でお土産屋さんも休業中とのことだが、お土産は猿沢池周囲の三条通でいくらでも買うことができるので、たまには観光客に混じって、近鉄奈良駅から興福寺までのんびりと徒歩で足を運んでみてはどうだろうか。
【イベントデータ】
名称:興福寺国宝特別公開2017
開催場所:興福寺仮講堂
所在地:奈良市登大路町48
日時:本文参照
開催時間:9:00~17:00
問合せ先:0742-22-7755(寺務所)
料金:大人900円 中学生以上600円 小学生250円
駐車場:有り(普通車1000円)
目安所要時間:25分
Web:興福寺公式Webサイト
※所要時間の目安は生駒駅から公共交通機関を使った際の最短時間
※写真は全てイメージ