富雄北商店街にある、水七輪炭火焼肉で有名な焼肉工房わらく。
焼肉食べ放題のような格安な価格ながら、高級焼肉店にも負けないクオリティが楽しめる、週末には満席確実の人気店だ。
それにしても、富雄駅周辺は呆れるくらいに魅力的なお店が多い。
隣の東生駒や2つ隣の生駒駅前に半分くらい譲ってくれてもいいのにといつも思う。
駅を挟んで向かい側には大人気ラーメン店で知られるあまのじゃくがあるが、この日も通りかかったら軽く20人くらいの行列ができていた。
最近はみつ葉よりも行列が長い。向かいの中華そば丸昌さんも美味しいから、あまのじゃくに並ぶのが嫌になったら是非入ってみて欲しい。
こちらが水七輪。炭火はおが備長炭だ。
バーベキューやキャンプを楽しむ人ならご存知かも知れないが、おが備長炭は強力な炭火焼きを安定的に長時間楽しめる、炭火焼きに一番適した火力だ。
備長炭そのものを圧縮し、成形してつくられている。そのため、生ものの備長炭で高確率で発生する「爆跳」がまず発生しない。
炭火を熾(おこ)していると突然備長炭が大爆発を起こし、鋭利なかけらなどが飛んでくるあの現象だが、備長炭の爆跳は炭の質に関係なくどれほど良質なものでも発生する。保管や輸送中の湿気が原因だからだ。
通常炭火焼きで頂く時の最大の欠点は火力の調節が難しいことと、すぐに焦げたり場合によっては燃え上がってしまうことだが、水七輪は炭火の燃焼を非常に緩やかにする。
そのため、この画像のように炭火に直接触れるような距離で肉を焼いても驚くほどに焦げない。
火に落ちた脂が燃え上がり、肉が煤けた無残な状態になることもない。
頭のいい人は本当に、こんな便利なものを考えるものだと思う。
焼肉工房わらくの魅力は、やはり何と言ってもその安さだ。
ホルモン類は300円台から、定番ラインナップの多くは680円。和牛カルビなどの一番高級なものでも1人前980円という価格設定である。
高級系焼肉を自称しているお店に見てもらいたい良心的価格だ。
しかも全てが和牛なので、一頭買いで買い付ける店主の仕入れルートがないとまずやっていけないだろう。
上が特選塩タン980円で、下が上塩タン680円。
画像は2人前だがすごいボリュームで、ただ単に安いだけじゃないことがよくわかる。
特選塩タンは脂がのって柔らかく、ひっくり返す時に持ち上げるだけで崩れてしまうほどだ。
タンの歯ごたえと脂の甘味、肉の柔らかさを全て味わえる極上の一皿。コスパが非常に高い。
上塩タンの方は、家焼肉でよく食べるあのタンの味だ。
コリコリした歯ざわりが心地よいが脂を感じることは無い。あっさりした肉が好きなら、むしろこちらのタンのほうが良いだろう。
スーパーで買うのと大差がない価格で炭火焼肉を頂けるのだから、やはりコスパが高い。
上ハラミ、中落ちカルビ、上ロースの一緒盛りだ。
どの肉も脂が控えめになっているのにとても柔らかくて驚く。
ヒレ肉のように、赤身でも柔らかいのは上等な肉の特徴だが、そのような感じだ。
時にハラミは固くて噛み切れないような肉質のものが交じることがあるが、ここで頂く肉に関してはそういうことはない。
すべての肉が柔らかくて味が深く、焼肉の豪快さと繊細さを楽しむことができる。
ただ難を言えば、ロースはさっと炙っただけが一番美味しく、ハラミは芯までしっかり焼かないとダメな部位だ。
ハラミとロースが一緒盛りになると、見ただけで部位の判断に確信が持てない素人はどちらもしっかり焼かないと怖くて食べられなくなる。
できれば、この盛り合わせは分けてほしかった。
骨付きカルビにてっちゃん、どちらも1人前だ。
わらくは和牛一頭買いで仕入れているのでホルモンも売りの店だ。試さない訳にはいかない。
丁寧に下処理されたてっちゃんは余計な脂がこそげ落とされており、肉の部分の旨味を感じながら脂の甘味も感じられる。
下処理が不十分な店の場合、臭みがあったり脂が多すぎたりして好き嫌いの分かれるメニューだが、こちらで頂くてっちゃんはかなり万人受けしそうだ。
旨い。
以前はカウンター席もあったが、現在は6人掛けのテーブル席が2つ、4人掛けの座敷席が2つの小さな店だ。
週末はまず間違いなく満席なので、フラッと行っても入れることはない。
出掛ける前に必ず予約をしてから出掛けるようにしよう。
【店舗データ】
店名:焼肉工房わらく
所在地:奈良市富雄北1-3-11
定休日:第2・第3火曜日
TEL:0742-44-2941
営業時間 :17:00~23:00
駐車場:無し
子供連れ:OK
Webサイト:わらく公式サイト