濃厚鶏白湯ラーメンで奈良ではすっかり知られる存在になった元喜神。
この場所は以前、天理スタミナラーメンがあったのだが、奈良市内を中心に中華料理を手広く経営している飛天グループが元気神を居抜きで開店してから、もう随分の時間が経つ。
土日祝日はもちろん、ランチ時は平日でも駐車場が満車になることもあり、長年根強い人気を誇っている。
店の看板は鶏白湯ラーメンで680円。
最近のラーメン屋は700円を切る基本のラーメンをなかなか見かけなくなったので、やや割安感を感じる。
しかし、このお店ではほとんどの人が頼むのは、おそらく鶏白湯つけ麺870円だ。
つけ麺に玉子とご飯がついており、テーブル備え付けのIH加熱器でスープおじやを作って食べさせる寸法になっている。
鶏白湯ラーメンと鶏白湯つけ麺。
鶏白湯ラーメンは、たっぷりのモミジで取った鳥の脂とコラーゲンを感じさせる、独特の旨味がある。
後味にはすっきり甘い鳥の旨みが余韻として舌の上に長く残るのが印象的なラーメンだ。
ほんの僅かだけ薄味を感じさせる調味になっているが、スナック菓子などの「寸止め」のように、手が止まらない仕組みに似て、麺とスープを深く味わおうとしてしまう。
向こうから味あわせにくる味というよりも、こちらから迎えに行きたくなる味だ。
軟骨ごと叩いた鶏の肉団子が入っているなど、とことん鶏にこだわった具材になっている。
一方のつけ麺はやはり濃厚だ。
極太メンマに材木カットにしたチャーシューの演出も嬉しい。
魚粉が別皿でついてくるのだが、これは好みの分かれるところだ。
すくなくとも、最初から全量を入れずに少しづつ入れながら味を変化させたほうが良いだろう。
いきなり全量を入れると、鳥の旨みが魚粉の味に塗り替わってしまうので元のスープの味がわからなくなるかもしれない。
つけ麺の方はそのまま、テーブル備え付けのIH加熱器に置いて再加熱し、おじやを作ることができる器になっている。
アツアツに再加熱したつけ麺の汁を割り汁で薄め、ご飯と溶き卵で食べるおじやはかなりの絶品。
この店が根強く支持されてきた大きな武器になっているのではないだろうか。
手広く経営している中華料理店のラーメン部門ということで、奈良のラーメン店では専門店に比べやや注目度が低いようだが、このクオリティで多店舗展開し、味も安定しているので、もっと高く評価されて良い店だ。
丁寧に取った鶏白湯スープはやはり旨い。
【店舗データ】
店名:つけめん・ら~めん元喜神 押熊店
所在地:奈良市押熊町1556-1
定休日:無し
TEL:0742-41-7021
営業時間 :11:30~22:00(平日15:00~17:30休憩)
駐車場:12台(満車の場合あり)
子供連れ:OK
Webサイト:http://hiten-co.jp/aoniyoshi.html