阪奈道路から学園前のスシローやくら寿司がある通りをそのままパスし、学園前の駅前も通り過ぎてゆくと、左手側に一際おしゃれな建物が目に入ってくる。
緑に囲まれた一軒家のイタリアン専門店、Benvenuto(ベンベヌート)だ。
Benvenutoとはイタリア語で「ようこそ」という意味だが、その名の通りホスピタリティあふれる、とても気持ちのいい雰囲気で迎えてくれる。
駐車場も25台分有り、かなり余裕がある。
パスタを楽しむプリモセット1600円からメイン料理までしっかりしたベンベヌートコース3500円まで、その日の気分で楽しめるコースが用意されている。
どのコースもフォカッチャ食べ放題・デザートつきだ。
価格設定としては、生駒・奈良のイタリアンの中で平均的と言えるだろう。
前菜3種。この日はホタルイカとチーズを練り込んだシュー生地に軽い風合いのチーズ(リコッタチーズだろうか)を挟んだもの、それに鴨の塩漬けを燻製したパストラミだ。
パストラミと言えばお酒のおつまみと思っていたが、イタリアンの前菜に出てくるとは嬉しい誤算だ。
お酒が欲しくなってしまって困るではないか・・・。
フォカッチャもバゲットも香りがよく、とても美味しい。
若鶏と蕪のクリームソースに、ブロッコリーと厚切りベーコンのオイルベースパスタ。
素材を活かした味付けを店の方針としているだけに、味付けはかなりシンプルだ。素材に自信がなければできない味付けで、それだけ選びぬいた材料を使っているということだろう。
チーズやソースでこてこてにするイタリアンの店とは違い、素材の味がかなり立っている。ブロッコリーも凍菜(冷凍野菜)の食感と香りではないので、生で仕入れて注文を受けてから茹でているのではないだろうか。
ブロッコリー好きには嬉しい野菜の扱い方だ。
牛肉のタリアータ赤ワインソースに、スズキのポワレ桜のブールブランソースだ。
こちらも、味付けはかなりシンプルに為されており素材の味を引き出すことを第一に考えられているが、スズキのポワレに用いられている桜のブールブランソースは淡い桜の香りをまとわせており、なんとも心地よい。
もっと大きなフィーレで頂きたかったが実に一口サイズだ。
美味しいだけに悔しい。
牛肉のタリアータは全く期待を裏切らない旨さだ。
赤ワインソースもシンプルだが、とても柔らかくて肉が固くならない火の通し方になっている。
真空調理のような調理法で作っているのだろうか。
食後のデザート3種とエスプレッソだ。
飲み物はコーヒー紅茶をアイスかホット、もしくはエスプレッソの中から選ぶことができる。
ティラミスにシャーベット、ベリーソースのショートケーキだ。
どのデザートも本格的な味で、ティラミスはコーヒーの苦味がきいており、ケーキのベリーも甘さ控えめになっている。
子供向けというよりはマダム向けの味になっているかもしれない。
フィレンツェやローマ・ミラノで修行した宮部シェフの作る料理はどれも、日本風イタリアンと言うべきだろうか。
素材の扱い方に和食に通じるものがあり、一般的なイタリアンをイメージして訪問すると驚くかもしれない。
なお土日祝日のランチはいつも予約で満席になっており、前日までの予約がお勧めだ。
おしゃれな建物は貸切パーティーにもよく使われているので、予約無しでの訪問は避けたほうが無難だろう。
【店舗データ】
店名:Benvenuto(ベンベヌート)
所在地:奈良市登美ヶ丘1-2-14
定休日:水曜日
TEL:0742-51-1000
営業時間 :11:30~15:00 17:30~22:30
駐車場:25台(十分有り)
子供連れ:OK(歓迎)
Webサイト:http://www.1996benvenuto.com/