回転寿司が100円均一になって大きな産業になったように、居酒屋や焼き鳥店でも均一価格を売りにしていた店は多いが、成功したとはいえない店が多い。
その中で、今のところ大成功し株式上場まで果たしたのが280円均一の焼き鳥店、鳥貴族だ。生駒からは最寄りで富雄に支店がある。
こちらは直営店ではなくFC店舗だが、直営店と何も変わらないクオリティと価格で食事を頂くことができる。
場所は富雄の有名ラーメン店、あまのじゃくと、同じく安くて美味しい寿司店、鮨田と道路を挟んだ向かい側。
近くにはキッシュが美味しい、ミシュラン のビブグルマンを獲得したことで一躍有名になったフレンチ居酒屋えとねもあるが、本当に富雄は外食天国だ。
280円均一で焼き鳥は一皿2本。
1串140円という値段は驚くほど安いというわけではないが、驚くのは生中のプレミアムモルツまで280円ということだろうか。
焼き鳥屋がこの値段でビールを売ったら、どこで利益を出すのだろうかと他人事ながら心配になるほどだ。
ウイスキーも1ショット280円だ。
メニューにはフライドポテトもあるが、外食産業でありがちな、業務スーパーでも手に入る1kg200円の外国産冷凍フライドポテトではない。
北海道産のフライドポテトだ。
鳥貴族が成功した大きな要因の一つはおそらく、フードメニューを全品国産にしていることであろう。
フライドポテトのような誰も気にしない食材で、しかもアメリカ産なら誰も気にしないようなものまで国産にするこだわりは本当に凄い。
280円均一でフードメニュー全品国産というのは、ちょっと真似ができることではない。
飲み物は海外産があるのか、というのが気になるところだが、ウイスキーにはバーボン（アメリカ産）もあり、ジンベースやウォッカベースのカクテルもあるので、これを国産で揃えるというのはさすがに厳しかったのだろう。
ちなみに鳥貴族の社長、大倉忠司氏は関ジャニ∞の大倉くん（大倉忠義）の実のお父さんだ。
スピードメニューのキャベツ盛りはお代わり自由だ。
鶏肝ポン酢も、ビールと同時に頼んだらほぼ一緒に出してくれるので付き出しは必要ない。
こころもつくねも、280円均一だから味が悪い、大きさが小さい、ということもなく、コスパが高い。
ソーセージは粗挽き国産鶏肉100％で作っているのでしっかりした食べごたえがあるものの、味がかなり塩辛いので、お酒のあてとして食べるようにできているのだろう。
鳥貴族富雄店は、場所柄小さな子供を連れた親子連れや大学生、近場で働いている会社員同士の飲み会としてあらゆる客層に使われている。
ソーセージは子供が大好きな食材だが、そのままではちょっと呑んべえ向けの濃い塩味になっているので、子供にあげる時はあまりたくさん食べさせないほうが良いかもしれない。
なお呑んべえな私はいつも美味しく頂いている。
280円メニューの極めつけは鶏釜飯であろう。
鶏肉、ごぼう、かまぼこ、にんじんが入ったお茶碗3杯分くらいの釜飯を280円で出されるのだから、近所の焼鳥屋はたまったものではないはずだ。
注文を請けてからカウンター近くで、ひと釜づつ固形燃料で炊き上げているが、こんなもん、絶対に利益が出るはずないではないか。
トータルで儲かることを考えているのだと思うが、このメニューだけは禁じ手に近い。
周りを見渡しても、お客さんの95％が注文するようだ（自分調べ）。
外食チェーン店といっても、鳥貴族はバカにできない。
売上を上げるために、どこの店舗も席はかなり狭く感じる作りになっているので、決して接待や記念日の食事に使う場所ではないかも知れないが、この価格でこの味とメニュー構成はデフレ時代の勝ち組になるのは必然であろう。
とはいえ、まだ鳥貴族が黎明期だった2003年頃だろうか。
当時、大阪守口の駅前に出来たばかりの鳥貴族に行ったことがある。
10数年経つのに忘れられないほど、鶏肉は臭く、味は不味く、280円均一だけはある、全く美味しくない店だった。
きっと黎明期の試行錯誤の途中だったのだろうと思うが、あのお店がこれほどコスパの良い外食チェーン店になるとは全く思えなかった。
見違えるように美味しく、コスパのいい店になっている。
食べ盛りの子供がいる家庭でも、夫婦で一杯飲みたいときなどに懐を気にせずファミリーで出掛けられる店なので、一度利用してみて欲しい。
なお生駒からは、近鉄富雄駅から徒歩で行ってもいいが、東生駒駅前からは店の前までタクシーでも1500円ほどだ。
4～5人以上の家族で東生駒近辺から出掛けるなら、タクシーで直接行っても電車代と大差ないと思うので、生駒交通に来てもらっても良いかもしれない。
【店舗データ】
店名：鳥貴族 富雄店
所在地：奈良市富雄元町1-24-24
定休日：無し
TEL：0742-81-4222
営業時間 ：16:00 ～ 0:00
駐車場：無し
子供連れ：OK（歓迎）
Webサイト：富雄店公式サイト