東生駒・菜畑で長年地元民から愛される手打ちうどんの名店、山の音だ。
うどんというメニューや、場所柄を考えると地元住民のランチ需要しか無さそうに思えるが、お年寄りが一人でうどんを頂きに来ることもあれば、ビジネスマンがグループでランチを頂きに来ることもあり、客層は実に多彩である。
2017年春には同じ通り沿いに「うどん麺ひめ」もオープンしたが、東生駒にはうどんをひきつける何かがあるのだろうか。
お店の立地はこのような感じだ。
東生駒の駅から帝塚山大学の方に向かい、KOHYO東生駒がある交差点の手前にある。
駐車場は上の画像、交差点の手前の赤い車がある辺りを左折して行けば十分な数がある。
交差点の手前の細い道なので、通り過ぎないように気をつけて欲しい。
店の裏手の駐車場は、これだけの数がお店専用である。
カウンター席8つに4人掛けの小上がりが2つの小さな店なのだが、これだけの駐車場が必要なのかというくらい車が駐められるので、安心して車で出掛けられるのが嬉しい。
メニューはシンプルでどれもリーズナブルだ。
冷たいうどんの選択肢がやや少ないが、ざるうどんと一緒にミニ天丼や小玉天丼と一緒に頼めばかなり満腹になる。
冬場にはうどんすきが特に人気だ。
上からざるうどん、小玉天丼、天ざるうどんだ。
つやつやしたきれいなうどんは、さすがに長年続く手打ちうどんの名店らしく、見ているだけで食欲をそそられるできだ。
出汁はしっかりと魚の味が濃く、旨味が強い。
甘味はほとんどなく、少し辛味が効いたそばつゆのような味になっている。
魚の旨味が強いのでいりこかと思ったが、聞けば鰹出汁をしっかりと取っているとのことだった。
鰹を敢えて上品な出汁のとり方をせず、魚の旨味がしっかりと感じられるような出汁に仕上げている。
うどんの方は、コシがあるのにふわっとするタイプ。
他の店で例えれば、ミシュラン特別版に掲載された奈良・広陵町の鈴庵のうどんに似ている。
優しいのに芯がある、フワシコの食感だ。
コシの強さが前面に来る讃岐うどんとはまた違う、優しいのに力強い旨さがある。
一方で、天ざるの方はアツアツの天ぷらをそのまま盛り付けるので、冷のうどんと熱をシェアしてしまい、天ぷらは少し温度が下がり、うどんは少しぬるくなってしまっていた。
このあたり、せっかくアツアツ揚げたての天麩羅を出してくれるのだから、ざるうどんと天ぷらは分けてだした方がいいかもしれない。
単品の天ざるの方は冷え冷えで美味しく頂けた。
なお天ざるうどんは、食後に「釜湯」をだしてくれる。
蕎麦湯のように、だし汁をうどんの茹で汁で割って飲むというものだが、出汁の旨さを味わうために考えた店主オリジナルのサービスなのだろう。
蕎麦湯で蕎麦の旨味を味わうというほど、小麦の美味さを味わうという訳にはいかないが、丁寧に取った出汁の旨さを茹で汁で割って味わうというサービスは、最後の余韻を楽しめて嬉しい。
また、この日は頂かなかったが、別の日に温かいきつねうどんを頂いたことがある。
うどんの常で、同じ麺であれば冷よりも温のほうがコシが弱くなってしまうが、山の音のうどんを温かい出汁でいただくと、フワフワが前に来てコシが余り感じられないうどんになる。
讃岐うどんのようにコシが強いうどんが好みであれば余り合わないかもしれないので、好みで注文を使い分けて欲しい。
【店舗データ】
店名:山の音
所在地:生駒市東生駒1-507
定休日:第2火曜日・水曜日
TEL:0743-74-0634
営業時間 :11:00~17:00(土日~18:30)
駐車場:店裏8台
子供連れ:OK
Webサイト:ー