奈良市の奈良公園のほど近く、南紀寺の住宅街の中にラーメン店がオープンした。
麺屋岡田だ。
若いご夫婦らしき2人で切り盛りしており、プレハブ小屋を小さな店舗に設えての手作り感溢れる、屋台風ラーメンである。
駐車スペースは、7~8台は確保できそうな空き地に店舗があるので、車を駐める場所に困ることはないだろう。
店内はカウンターのみの5席で、本当にご夫婦の小さな城といった風情だ。
招き猫が2匹、店内に飾られており、ご夫婦のお店経営に賭ける思いが伝わる。
住宅街の狭路の先に店はあるが、特段大型の車で出かけても不自由は感じない。
ぶっちゃけ信貴山の牛すじラーメン有名店、アベノ日本一に行く道のほうがはるかに悪路だ。
とは言え、あちらの店舗も離合不可は100mほどのことなので、どうということはない。
それよりも、同じ敷地内にある黄色い店舗のカラオケ喫茶からは、平日昼間から大きな歌声が漏れていた。
付近の住民は大変そうだ。
2017年11月にオープンしたばかりの店舗だからだろうか。
メニューは潔く1本勝負で、とりとんこつラーメン700円のみである。
セットメニューもないので、いつ行っても同じ価格で楽しめる。
奈良の相場に比べて、高くもなく安くもなくと言ったところだが、煮玉子をトッピングすると800円になるので、ややお高めと言ったところか。
こちら、一本勝負のとりとんこつラーメン。
とりとんこつと銘打っているが、味は甘みの強い味噌味だ。
鶏の脂でトロッとしたスープが麺によく絡む。
豚骨の臭みは味噌で打ち消されているので全く感じさせないが、旨味は残している。
具はもやしにネギだけのシンプルなもの。
ピリ辛と言うほどでもないが、味噌ベースのスープには唐辛子でアクセントを付けているので、甘味の中に辛味も主張してくる味わいになっている。
チャーシューは豚バラの脂が乗っているところを丁寧に焼いてあり、その後トロトロに煮込んでいるようだ。
なお、トッピングの煮玉子は、いまどき逆に珍しい超固茹で卵。
昭和のラーメンのお供であった固茹で卵だが、パサついた黄身をスープにまぶしながら頂くと、妙に懐かしい気持ちになる。
麺は小麦の旨さがしっかりと残る細打ち麺。
しゃっきり固めにしたほうがこのスープには合いそうだが、何も言わないと並の固さで提供されるので、好みがあれば伝えたほうが良いだろう。
頂いてから気がついたが、このスープにチーズをトッピングするのがお勧めのようだ。
スープはやや塩味が強い味なので、チーズを溶くとさらに濃い味になりそうだが、このあたりは好みだろうか。
全体として、まだまだ進化の余地がある一杯だが、お店のコンセプトである「ここでしか頂けないラーメン」という方向性は目指せているようだ。
近くに行く際には、来店を検討してみてはどうだろうか。
【店舗データ】
店名:麺屋岡田
所在地:奈良市 南紀寺町4丁目110-1
定休日:水曜日
TEL:080-8326-0809
営業時間 :11:00~14:00 18:00~21:00
駐車場:7台
子供連れ:OK
Webサイト:店舗公式ツイッター