何ともインパクトのある名前のラーメン屋が、奈良県広陵町馬見の、馬見丘陵公園からほど近い場所にオープンした。
その名も、「下品なぐらいダシのうまいラーメン屋」である。
オープン日は2018年3月7日で、訪問日は新規開店からまだ1週間程のフレッシュな時であった。
駐車場は店横に3台しかないが、公式では3台+αとなっている。
確かに、駐車場は既に一杯であったが、駐車はできた。
詳しく書くのは憚られるが、もう少し駐めることができそうだ。
なお店舗は、少し前まで街の中華屋さんだった場所だ。
居抜きでキレイに改装し、清潔感のある作りになっている。
開店直後だけに、オペレーションが落ち着くまではメニューを絞っているようだ。
お店の看板は、トリュフ香る鶏と鯛の熟玉そば862円。
税抜表記なので、税込みだと930円という超強気の価格設定である。
煮玉子を抜きにすると830円だが、こちらも奈良価格から考えるとかなりの強気だ。
セットメニューはからあげとライスのセット296円(税込み320円)であり、ラーメンと一緒に食べると1250円の豪華ランチとなる。
馬見の山の中までわざわざ足を運ぶラーメンマニアにはなんてこと無いかも知れないが、普段遣いのランチ価格とは言えない値段なので、常連を確保するのは難しいかも知れない。
こちら、上からトリュフ香る鶏と鯛の熟玉そば930円、鶏と鯛のトリュフ香る魚介節パンチ熟玉そば980円、唐揚げセット320円、餃子320円である。
まずは看板である、トリュフ香る鶏と鯛の熟玉そばの方だが、かなりレベルの高い旨さだ。
お店の名前とは似ても似つかないとても上品で、旨みたっぷりの味わいになっている。
これまで数多くのラーメン店で美味しいラーメンを頂いてきたが、ちょっと他では味わったことのないダシの組み立てであり、インパクト大だ。
基本は鶏と鯛の上品かつ濃厚な旨味なのだが、どこか豆乳のような優しい甘みすら感じる、とても上品で濃厚なのにさっぱりした不思議な一杯である。旨い。
鶏と鯛のトリュフ香る魚介節パンチ熟玉そばだが、こちらは看板のスープに魚介節をガッツリ加えた味わいになっている。
こちらも美味いが、出汁の旨味と独創性をしっかりと味わいたいのであれば、まずはこちらにしないほうが良いだろう。
トリュフ香る鶏と鯛の熟玉そばを頂いてから、その応用と言っても良いこちらも試すことをお勧めしたい。
なお、どちらにも飾りのようにレモンの輪切りが入っているが、意外にバカにできない。
しばらく放置しながら頂いていると、次第にレモンの存在感が大きくなってきて、味の変化を自然に楽しみながら頂ける仕掛けになっている。
これも非常に面白い試みだ。
チャーシューは特段の工夫があるものではないが、トロトロに仕上げられたバラ肉は旨味も残っており、美味しく頂ける。
おそらく出す直前に炙っているのだろう、香ばしさも感じられる。
唐揚げは特筆するようなことはないが、餃子はとても美味い。
餃子の専門店から取り寄せてます、という潔い案内があったが、正直この餃子、どこかのお店で頂いた味の記憶が強烈に残っている。
どこで頂いたのかどうにも思い出せないのだが、レベルの高い餃子屋さんで頂いたような記憶がある、とても良くできている餃子なので、こちらもお勧めしたい。
トイレも清潔に保たれており、唐揚げは「お子様のために小さくカットしますか?」と聞いてくるなど、ホスピタリティも十分だ。
パウダールームには個包装のマウスウォッシュまで用意されていて、デートで来店した女性までも気遣っているところはとてもポイントが高い。
全体として、一度は足を運んでも損はない美味しいお店としてオススメできるレベルの高いお店であった。
あとは価格帯が奈良で受入れられるか、常連を確保できるか、というところが課題だろうか。
場所柄、奈良は子供連れも取り込んだ価格帯にする必要があるが、子供も含めて1人1000円オーバーだと、一つ上の価格帯のランチと競合することになる。
そこで勝ち残るためには、気が抜けずに緊張感のあるお店経営になるだろう。
帰りには、近くにある馬見丘陵公園に足を運ぶのもオススメだ。
奈良にはなかなか他にない味を試しに、足を運んでみてはどうだろうか。
【店舗データ】
店名:下品なぐらいダシのうまいラーメン屋
所在地:奈良県北葛城郡広陵町馬見北1-7-21
定休日:火曜日
TEL:0745-55-9919
営業時間 :11:00〜15:00 18:00〜22:00
駐車場:3台他
子供連れ:OK(大歓迎)
Webサイト:店舗公式ツイッター