さて、富雄川沿いにある和風な建物が一際目を引く奈な屋である。
正直、訪問するまでずっと「変な屋」だと勘違いしていた。
一風変わったうどんを出す創作料理の店だろうと、正統派のうどんそば料理に対してなかなかいいネーミングセンスだと思って感心していたのだが、完全な勘違いであった。。
外観は完全に和である。
入り口には大量に薪が積まれているが、店内は薪ストーブが灯されており、冬の時期には暖かく来客者を出迎える。
それにしても、薪ストーブの大きさから考えて、いくらなんでも薪が多すぎる。。
まさか厨房の料理も薪というわけではないと思うが、謎の多い楽しい店だ。
それにしても、新規オープンから間もない店と言うわけでもないのにすごい人気だ。
訪問したのは雨の降りしきる平日昼12時頃だが、すでに何組か待ち。
さらに、すでにオトクなランチセットは売り切れているという人気ぶりである。
とはいえ、お得セット以外にもランチセットはあるので、選択肢は広い。
アルコールメニューも置いてあるので、お蕎麦を楽しむ店として使うのもアリだ。
なおお客さんだが、9割方がどちらかと言うとご高齢層に入る方たちだ。
仕事中に立ち寄ったサラリーマンや、うどんを食べたい気分の学生たち、ママ友同士での来店というお客さんはほとんど見られない。
ご近所に住む、リアイア世代を中心にした人たちが店の人気を支えているようである。
なおデザートだが、平群町が誇る名店、イタリアンジェラートとパスタ mamma(マンマ)から、ジェラートをお取り寄せしている。
ジェラートの世界的大会で6位に入賞した逸品だが、夏の時期には駐車場に入るのも困難な人気店だ。
本店とほぼ同じ価格で、あのジェラートをデザートに頂けるのはとても嬉しい。
こちら上が、かつ定食1220円温かいうどん、下が天ぷら定食1280円冷たいうどんだ。
画面からはわかりにくいが、うどんは相当珍しいと言ってもいいほどの、細打ちうどん。
さらにコシを感じさせる打ち方ではなく、どちらかと言うと柔らかい触感の味に仕上がっている。
更にダシだが、呆れるほどに昆布の旨味が凄い。
よほど大量に、良い昆布を使っているのだろう。
各種節をいくつか使っていることはわかるが、昆布の旨味が前に来る優しい味わいだ。
対して塩気は薄く、良いダシに薄口醤油で風味を付けた味の組み立てになっている。
このあたりも、高齢層に人気の秘密であることが良く分かる。
揚げ物はどれもレベルが高い。
カツは全てヒレだが、歯の悪い人でも軽く食べられるほどに柔らかく、また黒胡椒で下味をつけているので臭みが一切ない。
にんじんの天ぷらもとても甘く、良い職人が天ぷらを手がけていることが窺える。
若い層には、ややコシのないうどんが物足りないかもしれないが、うどんの旨さは讃岐風だけではないことを体現しているような良いお店だ。
うどん好きなら一度試してみてはどうだろうか。
【店舗データ】
店名:奈な屋
所在地:奈良市二名平野2-2195-1
定休日:火曜日
TEL:0742-47-8355
営業時間 :11:00~15:00 17:00~21:00
駐車場:十分有り
子供連れ:OK
Webサイト:店舗公式サイト