折衷旬彩 香月(かげつ)|奈良・和食(日本料理)

ミシュランガイド2017年版でビブグルマンに選ばれた「折衷旬彩 香月(かげつ)」。

ビブグルマンなので、調査員お勧めのお店より格上評価ということになり、コスパの良い店ということになる。

フレンチの経験も持つ和食の職人が和洋折衷の創作料理でお客さんをもてなす人気のお店だ。

店主自ら日本全国の漁港や蔵元を周り美味しいものを集めているためお店は不定休である。

実際に何度か空振りしたので、訪問する際は予約してからの方が無難だろう。

お店は近鉄奈良駅から500mほど離れており、もちいどのセンター街を抜け南に向かい、しもみかど(下御門)商店街に入ったところにある。

ここまで来るとさすがに観光客の姿はまばらだが、しもみかど商店街を抜けたところには「江戸川」があるため、その一角だけは観光客だらけだ。

こちらのお店、ビブグルマンに選ばれたお店とは思えないほどのお手軽価格でランチを頂ける。

学園前にあるイタリアンのヴァンティミリアの価格設定もかなりお得感があるが、香月も相当だ。

折衷松花堂御膳の松が1300円、折衷特別松花堂御膳の華が1800円。

それに夏季限定で奥吉野川上村の吉野葛手延素麺御膳が1500円。

どれも魅力的で迷うが、この日は松と華を頂いた。

上が松で下が華だ。

ごはんとお味噌汁、香の物にサラダとお造りまでは同じだが、松の方は鯛カマの幽庵焼きと鶏胸肉のみぞれ和えが付き、華の方は丸茄子とひろうすの炊合せにローストビーフが付く。

1300円のランチでお造り4種、それに鯛カマと鶏胸肉が頂けるのはやはりかなりお得だ。

この日のお造りはよこわ(本マグロの幼魚)、はまち、ひらまさ、タコでご飯は黒米ともち麦が一緒に炊き込んである。

黒米は栄養価や抗酸化力が高いことから健康米として知られるお米だ。

もち麦のプチプチ感もご飯のアクセントになって心地よい。

お造りはどれも美味しいが、敢えて一つを挙げるとタコの炙りが絶品だ。

淡白な味わいのタコから旨味をたっぷり引き出しており、一切れしか入ってないのが悔しい。

鶏胸肉のみぞれ和えは箸で切れるほどに柔かくしっとりとしており、おろしポン酢のさっぱりした味わいが外の猛暑を忘れさせてくれる。

鯛カマの幽庵焼きも、脂の乗った鯛の部位をコッテリしながらもあっさり食べられる味わいに仕上がっている。

ローストビーフの旨味も期待以上だ。

しっとりと仕上がった赤身肉は絹のように柔らかく滑らかな味わいで、牛肉の旨味が口の中いっぱいに広がる。

丸茄子とひろうすの炊合せも、和食の技術の粋を尽くした美味さで、丁寧に取られた出汁をたっぷり含んでおり瑞々しい。

これだけの松花堂弁当がこの価格で頂けるのだから、やはりお得感しか感じない。

ならまちエリアにあるので、お店の場所や店内ポップを見ていると奈良公園に遊びに来た観光客向けのお店なのかもしれないが、値段設定は完全に地元の人たちに気軽に使って欲しいという願いが込められたランチ価格の設定だ。

そして、和食ランチをゆっくり頂きたい時には間違いなく候補に上がる、お手軽なのに丁寧な仕事で旬の食材を美味しく頂けるお店である。

お店の詳しい場所だが、下御門商店街を南から北向きに入ると50mほどで右手側にある。

うなぎの有名店江戸川のある場所を目印に北に行けばわかりやすいだろう。

駐車場は無いが、画面の奥、江戸川の向こう側にコインパーキングの駐車場があるので、そちらを利用すると便利だ。

1時間300円なので、ならまちの中では高い価格設定というわけではない。

それにしても、江戸川はお昼時を過ぎてもすごい行列であった。

東京風の鰻を奈良で食べようと思ったらなかなか他に店がないとは言え、外国人観光客で溢れかえっている。

ただでさえ数が減って値段が高騰しているうなぎの美味さを外国人に教えるとは、ますます和食の食材が高嶺の花になってしまうではないか・・・。

【店舗データ】

店名:折衷旬彩 香月     

所在地:奈良市下御門町28-1 

定休日:不定休       

TEL:0742-22-1018      

営業時間 :11:30~14:00 17:30~23:00 

駐車場:無し(本文参照)  

子供連れ:OK(歓迎)    

Webサイト:店主フェイスブック 

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