富雄グルメ街の一角で大人気のカジュアルイタリアン(フレンチ)、ボーノボーノだ。
平日でもランチ時にはお客さんでいっぱいで、当日予約は取れない可能性がある。
なおイタリアンの分類に入れているが、シェフは元々フレンチが本職で、フレンチやイタリアンにこだわらず厳選した食材を美味しく調理するコンセプトを大事にしているお店だ。
場所は富雄の駅前からとりみ通りに出たところの角で、あまのじゃくの隣である。
夜にはあの大行列が横にできるが、ボーノボーノのお店の方に人が並ぶことはないので安心して欲しい。
あまのじゃくの行列は、駅の方に向かって伸びるように誘導されている。
ランチメニューでコースは4通り。
パスタが美味しいと人気の店なので、パスタを楽しみたい場合はパスタランチかボーノランチになる。
パスタランチに1400円プラスすれば、メインとパンがつく計算だ。
パスタの気分でない場合にはおすすめランチかスペシャルランチで。
おすすめランチに1100円足すことで、メインディッシュをフィッシュとミートの両方が楽しめるフレンチコース仕立てのランチにすることができる。
この日はボーノランチを頂くことにした。
サラダに前菜三種、スープ、パンの順番でコースが始まる。
前菜は赤ピーマンのムースに鶏のテリーヌ、それにタコのオリーブオイルバジルソース和えだ。
赤ピーマンのムースは甘みがあり、野菜の旨味がとても良く引き出されている。
鶏のテリーヌも、肉の質感を感じさせながら、肉そのものを頂いているよりも遥かに複雑な旨味で楽しい。
タコはアヒージョ風の前菜仕立てというところか。
かぼちゃのポタージュもとても甘い。
かぼちゃが持つ野菜としての甘みを余すところなく引き出しており、そのままかぼちゃを頂くよりもかぼちゃそのものを味わっている気分になる。
よく冷えたサラダもシャキシャキして旨い。
パンに添えられているのはローズマリーを漬け込んだオリーブオイルだ。
このオリーブオイルでパン頂くと、刺激的なハーブの香りで食欲をそそられる。
カリカリした耳の部分はかぼちゃのスープに浸して頂いても美味しい。
この日のパスタは2種類。
上がナスとチキンのトマトソース。
下がズッキーニと小エビのオリエンタルクリームソースだ。
トマトソースで頂くパスタはオーソドックスだが、こういう定番の料理こそごまかしが効かない分、材料の良さやシェフの腕が表れてしまう。
そして、期待通りにお約束どおりの旨さだ。
アルデンテに茹で上げられた食感の心地よいパスタに、わずかに酸味が効いたトマトソースが心地よい。
チキンとナスも、トマトソースとの相性はばっちりだ。
オリエンタルクリームソースは意表をついた味でなんとカレー風味である。
おそらくカレー粉と生クリームでソースを作っているのだと思うが、僅かにスパイシーさを感じるものの辛さはほとんどない。
ズッキーニのわずかな苦味とあいまって、いろいろな味が楽しめる楽しい一皿になっている。
イタリアンやフレンチといった枠にとらわれないというシェフの哲学が表れている旨い一皿だ。
お肉のメインはこの日はさつまいもで大事に育てられた豚肉のロースト。
脂身がほとんどなくヘルシーな部位を使っている分、たっぷりのオリーブオイルで和えたトマト風味のオニオンソースを乗せて頂く。
柔らかく味のあるお肉に濃厚なトマトソースがよく合う。
添え物のポテトのマッシュもこのソースと良く合い美味しい。
こちらはハタのバジルソテートマトのオリーブソースだ。
ハタは脂身と白身の旨さで知られる高級魚だが、関西ではクエと言ったほうが通りが良いかもしれない。
スズキ科の魚なので、味わいはスズキにも似ているがハタは脂のノリが豪快でスズキに比べ身もホロホロと柔らかく旨い。
初夏を迎えるまさに今の時期(訪問時は6月)が旬の最盛期であり、旬の高級魚をランチから惜しげもなく使うシェフの心遣いが嬉しい。
そして旨い。
デザートはカシスのソルベにガトーショコラ。
なぜかデザートだけ、どのテーブルにもシェフ自ら運んできていたのが印象的だ。
何かこだわりがあるのだろうか。
ガトーショコラは苦味と甘味の両方でバランスを取った一品で、子供でも喜んで食べる甘味を楽しめる。
カシスのソルベは酸味を効かせた大人の味だ。
しっかりとランチを頂いた後の口直しに心地よい。
イタリアンと言えばよいのかカジュアルフレンチと言えばよいのかわからないが、シェフのこだわりはこだわりを持たないことなので、どちらでも良いだろう。
富雄グルメ街の一角で長年にわたり愛されているボーノボーノ。
近くに行くことがあれば、ぜひ足を運んでみて欲しい。
【店舗データ】
店名:ボーノボーノ
所在地:奈良市富雄元町2-2-6
定休日:月曜日(祝日の場合火曜日)
TEL:0742-51-3719
営業時間 :11:30~14:00 17:30~22:00
駐車場:道路を挟んだ向かいに3台
子供連れ:OK
Webサイト:ボーノボーノ公式サイト