麺屋BIBIRIや無鉄砲しゃばとんなど、奈良の有名ラーメン店がしのぎを削る尼ヶ辻・西の京地域に、2017年1月に新規オープンした中華そばおしたに。
豚骨や鶏で人気を集めている店が多い奈良で、しかもしゃばとんは豚骨、麺屋BIBIRIは鶏モミジの鶏そばで勝負している同じ通りに、敢えて澄んだスープの鶏ガラ正統派ラーメン店を出し、人気を集めている。
店主のシンジさんが修行をしていたのは大阪の人気ラーメン店「ふく流らーめん 轍」だが、 轍の公式ブログでもシンジさんの独立を祝福する投稿があり、良い形で修行を終えて、独立を果たしたようだ。
お店が面している道路は結構渋滞する道だ。
駐車場はお店に向かって右側に7台あるものの、ランチのピーク時には満車になることが多い。
この時、歩道に寄せて車を停め、車が出るのを待つのは絶対に止めて欲しい。
この道路は、近くに小学校があり小学生たちの通学路になっている。
道幅が広いとはいえず交通量も多い道なので、歩道に寄せて車を停めると子供たちが車道を歩くことになりかねない。
お店がラーメンづくりと経営に集中するためにも、車でいっぱいだった場合は時間を開けてから訪問するようにし、そのような形でもお店の応援を心掛けて欲しい。
なお、2017年6月には歩いてすぐのところに第2駐車場が確保されたことをツイッターで報告している。
店横駐車場がいっぱいであれば、お店の人に場所を確認し、そちらに回るようにしよう。
お店の看板は塩そば、醤油そば、まぜそばだが、訪問時には期間限定で煮干しそばも提供していた。
ラーメンのベースになるのは鶏ガラで、塩そばは貝類と海老などで、醤油は牡蠣・昆布などを、煮干しはそのまま煮干しで旨味を加えている。
ベースになる鶏ガラはどのような旨味にも対応できる強さがあるので、レパートリーが多くても違和感がない。
ラーメンはそれぞれ単品で780円。
券売機で食券を買い、席に着く。
平日でもランチのピーク時、12~13時頃は混雑するが席待ちをすると言うほどでもない。
上から煮干しそば、塩そば、醤油そばだ。
味の基本は鶏ガラなので、どれもサラサラした、透明感があるスープに仕上がっている。
麺も細打ちでしゃっきりしたストレート麺。
しこしこした食感が博多風の細麺を思わせるが、博多風細麺に比べラーメンの麺としての味が濃い。
煮干しはそのまま、スープを頂くと濃い魚の旨味がガツンと広がる。
生のまま刻んで入れられている玉ねぎがアクセントになって心地よい。
レアチャーシューも完璧な火の通し方だ。
塩そばは、塩の旨味が前に来て魚介系の旨味が複雑に絡み、素材を特定できるような単純な味に仕上がっていない。
しかし、冷めたスープを集中して味わうと、どこかアサリのような旨味を感じる。
説明には貝柱とだけ記しているが、ホタテではなくアサリの旨味を感じるような、鶏と貝類の旨味を強く感じられる一杯だ。
醤油そばは、想像以上に醤油の存在感が強い。
奈良の老舗醤油店であるイゲタ醤油を使用しているが、醤油の旨味が想像以上に強く、鶏ガラとの相性の良さを感じる。
そう言えば、やすらぎの道にある有名店「ふじ門製麺」でも醤油はイゲタのものを使ってるが、あちらは隠れたアクセントなのに対し、こちらはいきなり曲がり角から飛び出して驚かせてくるような、そんな不意打ちで醤油の旨味が前に来る。
全体として、生駒駅前の「一喜屋」を連想させる味だろうか。
ランチ営業をやめてしまい、今では夜にしか食べられなくなったお店だが、昔ながらの正統派ラーメンをだすことで人気のお店だ。
正統派ラーメンでありながら素材を厳選し、無化調で旨味溢れる一杯に仕上げている。
オーソドックスでありながら他にはないオリジナリティのある味。
スッキリした旨いラーメンを頂きたい時に、足を運んでみてはどうだろうか。
【店舗データ】
店名:中華そば おしたに
所在地:奈良市四条大路5-4-30
定休日:月曜日 日曜夜
TEL:0742-31-7068
営業時間 :11:00~14:00(日曜~15時)18:30〜21:30
駐車場:11台
子供連れ:OK
Webサイト:公式ツイッター