ランチ時には行列ができる、味噌ラーメン専門店でチェーン展開している人気の田所商店が奈良県に初出店してきた。
場所は生駒から王寺の方に向かい、大和川を渡ったところを西和警察署の方に向かうと右手側に見えてくる。
味噌樽のオブジェがひときわ目立つお店だ。
幹線道路沿いの上に、駐車場はここまで要らんやろ~って言うくらい広い。
しかし、週末のランチ時は並ぶことが多く、駐車場の稼働率も8割くらいまで埋まるのでかなりの人気ぶりだ。
正直、関西でここまでみそラーメンの人気が出るとはとても思わなかったので、驚く。
こちらは味噌ラーメン専門店で、選択肢は「信州味噌(やや濃口)」「北海道味噌(濃口)」「九州麦味噌(甘口)」の3つの味から選ぶことになる。
味を選んだら、後はトッピングで値段が変わるというシステムだ。
味噌の味を複数の中から選ぶと言う本格的なみそラーメンのシステムも奈良では類を見ない。
基本的にトッピングやラーメンの麺(太さなど)の種類は味による細かな違いは余りないが、何故か値段は信州が一番安く、九州が一番高い価格設定になっている。
上が九州麦味噌の味噌漬け炙りチャーシュー麺。
下が北海道味噌の炙りチャーシュー麺だ。
細かなトッピングに差はないのだが、なんと、九州麦味噌の方にはさつま揚げが、北海道味噌の方にはフライドポテトがトッピングされている。
さつま揚げのトッピングなど、外で食べるラーメンとして初めてお目にかかった。
遠い昔、小学生の頃、半ドンの土曜日のお昼ごはんにトーチャンが慣れない手つきで作ってくれたラーメンに、そういえばさつま揚げが乗っていたことがある。
あれ以来の衝撃で、軽くカルチャーショックを受ける。
正直、みそラーメンとの相性はいろいろな意味で微妙である。
具は他に、肉味噌にもやし、フライドオニオンだろうか。
九州麦味噌はやはり甘口を謳っているだけに甘い。
最初の一口目を頂いた時は、信州にすればよかったかと後悔したが、これが癖になる味でこの甘味が意外に悪くない。
後悔から、これでよかった と気持ちが変わる不思議な味だ。
白味噌の割合が強いので、甘味が立って子供でも喜んで食べる。
北海道味噌の方は、さつま揚げがフライドポテトに変わる以外にトッピングに大差はない。
味は赤味噌の味がダイレクトにガツンと来る。
やはり濃い味の看板通り、少し塩味がきつめの濃い味が口の中に広がる。
甘口の九州味噌と交互に頂くと、特にその濃い味を強烈に感じられる。
共にチャーシューは、厚切りのバラ肉で赤身と脂身が両方楽しめる大振りなものになっている。
3枚もトッピングされていると、これだけでお腹がいっぱいになるボリュームだ。
不思議なのは麺の具合だ。
最初はつるつるした舌触りで、喉越し良く頂ける縮れ麺なのだが、そのうち粘りが出てきてもっちりした歯応えになってくる。
時間とともにここまで食感が変わる麺は初めてで、前半も後半もどちらも美味かった。
ラーメンを食べてていて、途中で飽きさせない方法としてこの麺の食感の変化を意図的に出しているのであれば、かなりの工夫を感じられる。
みそラーメンなのでやはり味は味噌が完全に前に来る味だ。
春友流のように、出汁の味と味噌の味を調和させるタイプではなく、とにかく味噌の存在感が大きい。
というより、味は味噌しか感じない。
これはこれで、徹底してみそラーメンの存在感に立ち位置を置く、店のコンセプトとしてアリなのではないだろうか。
夏の暑い時期にはやや厳しいかもしれないが、それ以外の時期にはオールマイティに頂ける、オーソドックスなみそラーメン。
次は信州味噌も試してみたい。
【店舗データ】
店名:田所商店 奈良西大和ニュータウン店
所在地:北葛城郡河合町薬井475-1
定休日:不定休
TEL:0745-34-2088
営業時間 :11:00~24:00
駐車場:十分有り
子供連れ:OK
Webサイト:http://www.misoya.net/