生駒市北部の高山地区にある高山竹林園。
生駒のゆるキャラ(マスコットキャラクター)であるたけまるくんが示すように、竹は生駒市が持つ数少ない産業資源だ。
家の庭や空き地に細い竹がニョキニョキ生えてきて困っている市民も多いように思われるが、それくらい生駒は広く竹が自生している。
その竹と生駒市の特産品を展示している施設なのだが、おそらく多くの生駒市民はその存在も知らないのではないだろうか。
園内には40種類もの竹が植えられ、手入れ・栽培されている。
竹林は自由に散策できるようになっており、春先の暖かい日や晩秋の爽やかな気候の日は、かなり気持ちよく散歩ができる(竹林内への立ち入りは禁止)。
イベント開催時以外は、生駒市職員と庭園を手入れする関係者以外の姿を目にすることはほとんどない。
美しく手入れの行き届いた誰もいない竹林を、静かにのんびり散歩することができるのが嬉しい。
なお、この竹林と周辺農家によって栽培されたたけのこは、毎年「高山たけのこ祭り」で朝堀の新鮮なものが展示即売され、多くの市民が訪れる人気のイベントになっている。
アクセスは車以外では厳しい場所にあるが、幹線道路沿いのわかり易い場所にあるので、迷うことはないだろう。
施設には資料館が併設されており、高山の竹を使った様々な竹製品が展示されている。
生駒警察署の標語、「む茶筅(むちゃせん)といて」という何のことだかよくわからないキャッチフレーズが目につくことが多いが、この資料館を訪れると生駒の特産品である竹製品と茶筅・茶道具が生駒市の大事な産業であることに改めて気付かされる。
生駒市の職人が、茶道具という形で日本の茶道という文化を支え続けてきたのかと思うと、どこか誇らしい。
資料館には見事な枯山水様の日本庭園も併設されており、ここではお抹茶を頂くことができる。
茶菓子付きで400円だ。
平日の利用には予約が必要だが、土日祝日は予約無しでも利用できる。土曜日は12:00~16:00、土日祝は10:00~16:00の間で受け付けている。
生駒の茶道具が支えてきた茶道を気軽に体験できる施設まであることを、おそらく多くの生駒市民が知らないであろうことが惜しまれる。
園内には池も整備されていて、多くの鯉が泳いでいる。
この施設に鯉の池が併設されている存在理由が少しわからないが、いずれにせよ水のせせらぎに耳を傾けながらしばし時を忘れ鯉たちを眺めるのは楽しい。
それが爽やかな竹林の中であるため、格別だ。
なお、施設は全面禁煙であろうと思われる。
建物の隅っこの目立たない場所に、喫煙者にとってはかなり気の毒な喫煙所を発見した。
真冬の高山で、こんなところで一服しろと言われたらかなり厳しそうだ。
高山竹林園の資料館は、生駒市役所の支所の機能も兼ねているようだ。
入口の横に、住民票などの発行手続きブースがある。
確かに、ここから生駒市役所までは車で30分ほどかかるであろう距離だ。
駐車場も広く、生駒市役所本庁よりもすぐに手続きをしてくれそうだ。
イベントごとが無い時にはほとんど人がいない高山竹林園。
せっかくのこれだけの施設であり、研修室や和室も市民の時間貸しに対応しているので、もっと利用率の向上と認知を測るべきであろう。
素晴らしい生駒市の財産だ。
【施設データ】
名称:高山竹林園
料金:入場無料
営業時間:9:00~17:00など
定休日:12月27日~1月5日
所在地:生駒市高山町3440
駐車場:40台 無料
電話番号:0743-79-3344(高山竹林園)
目安所要時間:25分
Web:生駒市公式サイト
※所要時間の目安は生駒駅起点で普通乗用車を使った際の最短時間