100円寿司最大手に昇り詰めたスシローの学園前店。多くの生駒市民にとっての最寄りの店舗だ。
最近は180円、280円、980円皿の導入も進め100均ショップのようにもはや100円ではないではないか、という寿司も目立つが、それでも主力は100円で揃えているので食べ盛りの子供がいる家庭には大きな魅力だろう。
しかしそのスシローも、今でこそ材料原価率50%という外食産業の常識では考えられない数字でネタにお金をかけているが、何かと話題になることが多い大手の牛丼店が経営権を握っていた2007年頃は、余り感心できないネタが使われていることが多く、業界順位も低迷していた。
当時は100円寿司といえばくら寿司で、学園前ではくら寿司が超満員だった反面、スシローはいつも空いているという、今では想像できない光景が見られることもあった。
その状況が変わったのが2009年の株主と社長の交代劇だったが、それ以来スシローはネタを重視し一皿100円でも赤字覚悟で材料にお金をかける経営スタイルに転換したことで、2011年に日本一の座に上り詰めることになるわけだが、当時の社長が引退した今もその社風は続いているようだ。
最近は定番ネタの変化球では消費者に飽きられてきた危機感からか、寿司としてはかなりの変化球、時には暴投のような寿司が出てくることもある。
写真は生ハムモツァレラチーズと、奥は期間限定のハワイアンローストビーフ。
ローストビーフにアボカドペーストをのせ玉ねぎがトッピングされたものだが、ハワイではこのような物が食べられているのだろうか・・・。味も微妙だ。
(これでは寿司というよりカナッペではないか)
とはいえ、こういう前衛的な寿司こそ100円回転寿司の魅力とも言えるので、当たりハズレを楽しめる懐の深さを持ちたい。
一方で、あまり感心できないのはやはり「イクラ問題」だ。
2017年3月現在、100円寿司大手3社では、「イクラの軍艦」と称してイクラ(白鮭の魚卵)を使っているところは無い(各社公式Webサイトの原材料産地表記より引用)。
唯一、かっぱ寿司が社運をかけてリリースした「鮮極鮭いくら」が鮭の魚卵を使用しているが、それでも軍艦の方は鱒イクラの軍艦と称して鱒子(マスの魚卵)を使用している。
くら寿司は味付けいくらと称して原材料表記はピンクサーモンとわかりにくくしているが、ピンクサーモンはカラフト鱒の別名なので、やはりこれも鱒子であろうと思われる。
スシローでも、いくらと明記して販売しているが、原材料表には「マスコ」と表示しているので、やはり代替品を使用しているようだ。
回転寿司での代替魚表記は一時問題になり、ほとんどなくなったようだが、イクラに関してはサケ科の魚卵であればいくらと表記しても良いルールになっているのだろうか。
ここだけは昔のままのように思われる。
マスコはマスコで美味しい食材だが、正しくない表記はやはり食文化に関わることなので、大手は率先してこの状況を改善して欲しいと願う。
【店舗データ】
店名:スシロー学園前店
所在地:奈良市学園大和町2-116-1
定休日:無し
TEL: 0742-40-5580
営業時間 :11:00~23:00(土日祝は10:30~)
駐車場:週末夜は不十分(駐車不可になることも)
子供連れ:OK
Webサイト:https://www.akindo-sushiro.co.jp/