ヴァンティミリア|奈良学園前・イタリアン(フレンチ)

ミシュランガイド2016年版、2017年版でビブグルマンに選ばれた、学園前にあるヴァンティミリア。

お店の名前をバンテミリアやヴァンテミリアと誤認している情報をたまに見るが、正しくはヴァンティミリア(VENTIMIGLIA)だ。

ミシュランでは、2017年版から奈良全域で星無しやビブグルマンの掲載が始まったため掲載件数が一気に増えたが、その前年、2016年から2年連続で掲載されているのはやはり素晴らしい快挙だ。

なおお店はランチがメインで、ディナーは予約をしないと営業そのものをしていないこともあるので注意して欲しい。

ランチも11:30きっちりにお店が開き、1分でも早く到着するとこのようにcloseになっているので、開店すぐにお店に行く場合は時間きっちりに行ったほうが良いだろう。

ちなみに駐車場は4台分しかなく、お店の前に2台と、お店の奥にある警察署の裏側の月極駐車場に2台。

予約の時点で駐車場も抑えてもらえるが、数が限られているので電話の際にはその旨を伝える必要がある。

お店の場所は、学園前のくら寿司やサイゼリアが入居している商業施設の道路を挟んだ向かい側のマンション1階にある。

画面ではガソリンスタンドの価格表向こう側を右側に入ったところだ。

車で行く場合、右折は難しいので画面奥の阪奈道路側から左折で入ったほうが良いだろう。

ちなみにヴァンティミリアという店名の由来(意味)だが、イタリアの地方都市の名前だそうだ。

地中海に面したイタリアとフランスの国境の町で、この町でフランス行きの電車とイタリア行きの電車が行き交い、イタリアに行く人、フランスに行く人が電車を乗り換える街である。

店主の濱口さんは石川出身でフレンチとイタリアンの修行を重ねた後、学園前のこの地に、イタリアンもフレンチも、その日の気分でカジュアルに楽しんでもらいたいと言う思いを実現するために小さなリストランテ(敬意を込めて、トラットリアと言ったほうが適切かもしれない)を開業した。

なおリストランテとトラットリアの違いだが、リストランテは高級レストラン、トラットリアは大衆レストランを意味するイタリア語ということになっている。

ランチメニューはイタリアンランチかフレンチランチ、ヴァンテランチの3種類だ。

イタリアンランチはサラダと前菜盛り合わせ、パン、パスタかリゾット、デザートと飲み物がついてなんと1200円である。

フレンチランチはサラダと前菜盛り合わせ、パン、フィッシュかミートのメインディシュいずれか、デザートと飲み物がついてこちらも1500円というお手軽さ。

ヴァンテランチはサラダと前菜盛り合わせ、パン、パスタかリゾット、フィッシュかミートのメインディシュいずれか、デザートと飲み物がついて2100円という値段になっている。

せっかくなのでいろいろな味を楽しみたく、ヴァンテランチを選んだ。

値段だけを見ると、2年連続でビブグルマンに選ばれたお店の値段ではないお手軽さだ。

お手軽にも程がある価格設定になっているが、満席の店内でオーダーを聞いていると、ほとんどの人がイタリアンランチを選んでいたようだった。

ちなみに夜のお値段はこちら。

夜も相当にお手軽な値段になっている。

ちなみにお昼の当日予約はかなり困難である。

12時30分以降であれば取れることもある(お客さんの1回転後)が、12時前後のランチタイムで食事を楽しみたい場合は前日までの予約が無難だ。

サラダ、前菜の盛り合わせ、パンだ。

ローストポークにイワシのバジルソース、バーニャカウダー(バーニャフレッダ)などいろいろな味が楽しめる。

全粒粉のとても良い香りがするパンが食欲をそそる。

ヴァンティミリアの大きな特徴は、ほとんどの野菜が無農薬であり、無農薬が難しい場合でも減農薬の野菜を使っていることにある。

そのためバーニャカウダーで頂いても野菜のエグみや苦味が全く無く、新鮮野菜の甘味が口いっぱいに広がる。

葉物野菜も同様で、パリパリした新鮮で甘い味わいがたまらなく心地よい。

こちらはリゾットとパスタ。

リゾットは100円プラスすれば鶏もも肉とビーツのリゾットに出来たので、そちらを頂いた。

野趣あふれるビーツの味と香り、赤ワインの優しい味わいと滑らかなリゾットのソースが良くマッチしている。

なおこのリゾット、独特の心地よい触感があるが、無農薬玄米を使って作っているものだ。

玄米をこんなに美味しい一皿に仕上げることができるのかと、驚かされる。

普通のお米とは違う心地よい噛みごたえがあるが、玄米を炊いたときのような固くて味わいを楽しめないような食感ではなく、あくまでも心地よい食感がとても印象深い。

パスタの方も非常に個性的だ。

画像は豚ロースとお野菜のパスタ。

麺そのものは乾麺で間違いないが、アルデンテに茹でられた麺は時間が経っても食感や味わいを損なうことはない。

具だくさんというより具ばっかりという盛りだくさんさだが、これでもハーフである。

根菜類の具がパスタに入っていることは驚いたが、中でもさつまいもがゴロゴロ入っているのはなかなか衝撃的だった。

そして美味い。

なおヴァンテコースのパスタは「本日のパスタ」以外を選ぶことが出来ない。

お店で人気のパスタはワタリガニのトマトソースパスタだが、こちらはフルサイズでないとオーダーできないので、味わうことが出来ず残念だった。

次回のお楽しみにしたい。

なおパスタランチのパスタはこの2倍以上はあろうかという巨大サイズである。

そもそもこのハーフサイズですら普通のお店のレギュラーサイズだろう。

無農薬野菜をふんだんに使ってこの値段で採算がとれるのかと、余計なお世話だが心配になってしまうほどだ。

こちらがミートとフィッシュのメイン。

上が鶏もも肉のギャランティーヌ(ガランティーヌ)で下がボラのポアレかぶのクーリ添えだ。

ちなみにクーリとはフランス料理の技法で、野菜や果物をピューレしたものを更に裏漉しし、滑らかにしたソースを意味する。

鳥のギャランティーヌにも野菜がふんだんに使われており、鶏もも肉の旨味と相まって野菜と肉の両方の味を楽しめる。

添え物の野菜も、どれ一つとしてありふれた野菜はない。

ただ甘く、野菜本来の旨味を楽しめる。

一方でボラである。

ボラと言えば、釣り人にとっては「臭くて不味い」ということで、釣れてもリリースしてしまうような魚であるが、どうやらそれは釣っている場所が悪かっただけのようだ・・・。

脂のりが良いのに締まった肉はカブのクーリと良く合い、パリフワの最高のポワレに仕上がっている。

よくよく調べれば、ボラは採れる海域と季節によっては高級魚とされており、関東ではお食い初めに広く食卓に登るほど珍重されている魚のようだ。

これは完全に不勉強だった。

ボラはとても美味しい魚である。

(そう思って釣った魚を自分で調理したら、きっと大失敗する・・・)

こちらはデザート4種。

プリンを軽く凍らせアイス状にしたもの、ティラミス、ライチのゼリー、抹茶のシフォンケーキだ。

最後まで手を抜くこと無く、甘いもの、少し苦味がきいたチョコ、酸味の効いたライチと、味覚を色々と楽しませてくれる構成になっている。

店主の心尽くしが表れている一皿で、とても満足だ。

これだけの内容で頂けて2100円は破格の値段だ。

しかもふんだんに使われている野菜のほとんどは無農薬であり、食材も厳選したもの。

まさにコスパ抜群であり、ミシュランのビブグルマンに選ばれるのは当然だといえるだろう。

ここでランチを頂くためだけにでも、足を運んで欲しいと思える良いお店だった。

【店舗データ】

店名:ヴァンティミリア     

所在地:奈良市学園大和町2丁目52 

定休日:第3水曜・木曜日     

TEL:0742-43-3773        

営業時間 :11:00~16:00 17:00~22:00 

駐車場:4台(本文参照)     

子供連れ:OK(歓迎)      

Webサイト:ヴァンティミリア公式 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする