うどん麺ひめ|奈良・東生駒菜畑

東生駒2丁目の「和食彩 白野」の跡地で2017年4月頃から造作工事が始まっていたが、2017年5月26日に新しいお店がオープンした。

「うどん麺ひめ」だ。

できたてホヤホヤのうちにお店に訪問したが、まだ店の外・中にはお祝いのお花などが所狭しと並べられている。

お店の立地は、東生駒のイオン系スーパー、「KOHYO(コーヨー)」の斜め向かい。

もう5年間ほど売り物件になっていた建物だが、テナント募集中の看板も出てからは3ヶ月くらいで入居が決まったようだ。

なおこのお店は、うなぎ料理の「白野」の前はそのお師匠さんの「文助」だったが、建物のオーナーは今も文助さんとのことだ。

その文助さんからテナントでお借りして、うどん屋さんを始めたとのことだった。

お店の裏側には駐車スペースが3台分だけある。

ちなみに、表側に回らずこの出入り口から入っても怒られないので、駐車場に車を駐めたらここからお店に入るようにしよう。

東生駒の立地で駐車スペースが3台というのはなかなか厳しいかもしれないが、ぶっちゃけこの道沿いはいつも路駐の車で溢れかえっている。

近隣の整骨院などのお客さんが結構長時間駐車していることもあるが、余り警察の取締りがないのだろうか。

できれば、新しくできたこちらのお店のように、駐車場はちゃんと完備してほしいものなのだが。

メニューはオーソドックスなものからかなり個性的なものまで、幅が広い。

初訪なので店員さんにオススメを聞くと、黒毛和牛しゃぶしゃぶと麺ひめスペシャルセットとのことだったので、そちらを注文した。

うどんすきのようなお店のセンスがでるものも頼んでみたいと思ったが、さすがに初訪で「シャンパン鍋」を頼む勇気はなかった。

シャンパンでうどんを鍋にして食べるのだろうか。

こちらが黒毛和牛しゃぶしゃぶ。

うどんの上に生肉が載せられた状態でテーブルまで運んでこられて、その上にその場でアツアツのお出汁をぶっかける。

生肉への熱の通し方は自分で調整できるのが嬉しい。

うどんは細めの手打ちうどん。やや腰が弱く伊勢うどんを細打ちにしたような食感だろうか。

お出汁は甘めのあごだし。

四国のうどん屋で修行をした女性店主オリジナルの出汁で、四国で修行した際にはいりこで出汁を取ることを教わったそうだが、研究を重ねてこのあごだしの味に行き着き、店の味に決めたそうだ。

甘味の後に醤油の旨味とあごだしのコクが追いかけてくる、良い味に仕上がっている。

お肉は黒毛和牛を軽く湯通ししただけなので柔らかく美味い。

うどんダシも濁らず、それでいてこれだけの肉をうどんダシで美味しく食べさせるのは簡単なことではない。

出汁を掛けただけの生牛肉は味が薄くて食べられないように思えるが、そんな物足りなさは全く感じさせない。

こちらは麺姫スペシャルの前菜と天ぷら、サラダうどんだ。

これにジュースか食前酒、デザートがつく。

とり天はとても柔らかく、揚げ物にありがちな締まりすぎた肉になっておらず、上手に揚げられている。

サラダうどんの具はドッサリと野菜のてんこ盛り。

女性店主らしい、女性に喜ばれるうどんのセットだ。

小さな子供や、肉を喰らいたい男性には喜ばれないかもしれないが、これは女性向けのメニューと割り切ったほうが良いだろう。

なおサラダうどんのうどんは黒毛和牛しゃぶしゃぶと同じ細打ち。

こちらは一転して、しっかりとコシのある讃岐うどんらしい麺になっているが、店主のこだわりで讃岐と違い細打ちにしているため、コシは程々だ。

ミシュランガイド特別版に掲載された奈良市高畑町にある讃岐うどんの名店「たつや」は正統派の讃岐うどんでしっかりと太くて強烈な長さとコシのある麺だが、正直頂いていると段々くたびれてくるきらいがある。

その点、讃岐うどんを細打ちにしてコシを楽しみながらもサラサラ頂けるようにしたのは、一つのアイデアだと言えるだろう。

好みの問題だが、個人的にはアリだ。

ちなみにこのサラダうどんと、ぶっかけうどんに使われているだしは「下足出汁」だ。

ラーメンではわずかに、ゲソ出汁を使っている店を聞いたことがあるが、うどんダシにゲソを使っているお店というのは今のところ聞いたことが無い。

本場讃岐でもいりこ系が主で、カツオ系が少数派と言ったところだろうが、讃岐のうどん店で修行をされたのにこの味に行き着くのはかなり個性的ではないだろうか。

ちなみに味は、ゲソの味をほとんど感じさせることはない。

動物性のコクと旨味に醤油の旨味が感じられるのに、あっさりとした一杯になっている。

個性的な出汁を使いながらも自己主張しない、不思議な味だ。

お店は4人掛けテーブルが3つと2人掛けテーブルが2つのほか、カウンター席が6つ。

おそらく画面の左奥、2階に通じる階段があるのだが上は「白野」の頃のように和室になっているのだと思われる。

営業時間は平日が11時~14時30分、土日祝が11時~21時(休憩なし)なので、普段はランチ客中心に1階で。

土日祝のディナータイムには2階の和室を宴会用に使うイメージなのかもしれない。

なお定休日は水曜日だ。

少し高市早苗に似ている店主の女性は、これとは別に北新地の新地本通りでバーを経営しているとのことだった。

なるほど、シャンパン鍋というかなりオリジナリティのあるメニューが有るのも、そういうことなのだろうかと妙に納得するが、新地で長年に渡りバーを経営してきた女性のセンスで作るうどんというのは、かなり興味深い。

朝方までバーを経営する傍ら香川県に修業に行き、オリジナルの味に行き着いてうどん屋もオープンしたというのだから、凄い行動力の女性だ。

朝までバーを経営した後、昼からはうどん店を切り盛りするパワーはかなりのものだろう。

なおうどんの麺については、「コシの強さ」にまだ少し迷いがあるのかもしれない。

冷の方は十分なのだが、熱の方のコシがやや弱い感想を伝えると、熱心にお聞きになっていた。

オープンしたてのお店なので、これからお客さんの意見を聞いてどんどん良いものにしていきたいという熱意の現れなのだろう。

正直、今でこそミシュランガイド特別版に掲載されるようになった生駒を代表するラーメンの名店、「トリカヂイッパイ」も、オープンから3日めにお伺いした時は、それほど美味しくなかった。

それが今では、あの個性的でありながらオーソドックスでもある不思議な旨さをもつ最高のラーメンに進化し、多くのお客さんを惹きつけている。

現状に満足せず、どんどん良いものを作りたいという熱意ある店主さん、これからも応援したい。

【店舗データ】

店名:うどん麺ひめ      

所在地:生駒市東生駒2-207-388 

定休日:水曜日        

TEL:-           

営業時間 :11:00~14:30(土日祝~21:00) 

駐車場:店裏3台       

子供連れ:OK         

Webサイト:-        

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