2018年4月7日、すっかり寂しくなった富雄の駅前商店街に、新たにイタリアンのお店がオープンした。
パスタ専門店のすぱげってぃカルボ屋だ。
ここ富雄駅前商店街では、ミシュランガイド特別掲載店である臥龍坊(ウォロンファン/がりょうぼう)の閉店(移転)も決まっており、また一つ寂しくなるが、こうやって新しいお店ができるのはやはり嬉しい。
なお、臥龍坊の閉店は店主さんから直接聞き出したスクープだが、まだ発表はしていないそうだ。
詳細は近々記事にする予定の臥龍坊のページで書いていきたい。
お店はその臥龍坊の横、商店街に入ってすぐの場所にある。
路地からはヤマトポークで仕込んだ自家製のパンチェッタを吊るしている様子も見ることができ、本格的な雰囲気がバッチリだ。
なおこちら側は出口専用で入店はできない。
入り口はビルの裏側、建物中ほどにある。
寂れた通りとはいえ、人通りのある道に面して美味そうなパンチェッタを吊るすとは中々のアイデアだ。
実際に、オープンしたばかりなので道すがら通りがかりの人は、チラ見をするか覗き込もうとする人も多い。
店主さんのナイスアイデアである。
こちらが店の入口側。
乱雑に品物が積まれたなかなかワイルドなお店の横に、ちょっと小洒落たお店を構えている。
なおここの店主さん、中村さんと言うがちょっと変わったコンセプトでお店をやっており、それは
「だっさいイタリアンという新ジャンルを切り開く」
というものだ。
その真意とするところは、おそらく気取らずに頂ける、ラーメンのような身近さでイタリアンを感じてほしいということなのだろう。
そのためお店は食券制であり、概ねどのメニューも1000円以下である。
トッピングや特大の大盛りにすると1000円を超えることもあるが、基本的にはリーズナブルだ。
お水もおしぼりもセルフで、飲み物の持ち込みも自由という、型破りなイタリアンである。
ただイタリアンと言っても、今のところは実質的にパスタ専門店だ。
お店はカウンターが8席に4人掛けのテーブルが3つ。
専用駐車場は無いが、近隣にはコインパーキングが複数ある。
提携駐車場はないので、車で出掛けるとすれば全額自腹ということになる。
なおこちら、心ばかりの食べ放題として枝豆が置いてあるが、なんと枝豆のペペロンチーノだ。
これがまさかの旨さで、結構ガッツリと頂いてしまった。
お客さんがたくさんいる場合、パスタが出てくるまでにやや時間がかかるので、良い前菜になった。
これはぜひ、バカにしないで試して欲しいオマケである。
この日注文したものは、上からカルボナーラ(小)半熟卵トッピング690円+100円、舞茸と海老の醤油スパ790円、自家製肉のトマトスパ890円である。
なお各メニューには小と特大があり、小は麺115g、並が165g、特大が280gだ。
小を選ぶと並から概ね200円前後安くなり、特大を選ぶと並から概ね400円前後高くなる価格設定である。
トッピングにはもふもふチーズ200円、温泉卵100円、焼きソーセージ2本150円、ニンニク大増量50円となっている。
他にミニサラダ110円、ピクルス250円、生ビールとハイボール450円、グラスワインが400円、コーヒー300円等の値段設定だが、飲み物は持ち込み放題なので、周囲で注文しているお客さんは居ないようであった。
味のほうだが、さすがにカルボナーラとトマトスパにゴロゴロ入っているパンチェッタはかなりの旨さだ。
脂の固まりのような粗悪なベーコンではなく、赤身肉の旨味をしっかりと楽しめる歯ごたえのある肉に仕上がっている。
噛めば噛むほど旨味が出る、大和ポークらしい生ベーコンは看板の名にふさわしい美味しさである。
このパンチェッタが加わるだけで、「ダサいイタリアン」が、小洒落たお店で出てくる逸品に変わってしまう。
一方で、麺の方は通常の乾麺であり、特筆するところはない。
ソースは丁寧に作られており誠実で真面目な仕事だが、それゆえにインパクトという意味ではやや弱いか。
奇をてらう必要はないが、パンチェッタの印象が大きい分、ソースそのものの印象は残りづらくなってしまうのが残念か。
舞茸と海老のスパは、そういった意味ではさらに弱い。
自慢のパンチェッタも入っていないので、美味しい一皿ではあるのだが、お店を出た後にはスッと印象が消えてしまう感じだ。余韻を残さないというのだろうか。
普段遣いで気軽に利用して欲しいというコンセプトなので仕方ないのだが、まじめで丁寧な仕事がわかる分、もう一工夫あれば・・・というところだ。
材料費と手間はかかるとは思うが、麺を思い切って生パスタにし、パスタの種類も例えばフィットチーネを選べるようにするなどの選択肢を出せば、きっと2回、3回と足を運ぶ人も多くなるではないだろうか。
新規オープンから1ヶ月も経っておらず、まだオペレーションに慣れていないはずだが、落ち着けばきっといろいろ楽しめるお店になってくれるだろう。
長い目で見て、定期的に足を運んでみたいお店であった。
※お店は基本的に定休日無しで頑張って営業しているが、2018年5月5日(土)、5月13日(日)は臨時休業予定になっている。訪問する際は注意して欲しい。
【店舗データ】
店名:カルボ屋
所在地:奈良市富雄元町2-5-20 トミオプラザ1階
定休日:無し
TEL:-
営業時間 :11:00~14:00 17:00~23:00
駐車場:無し
子供連れ:OK
Webサイト:-