富雄の駅前、あまのじゃくや鮨田といった超人気店がひしめく一角にひっそりと海鮮丼の店がある。
「まぐろ丼・海鮮丼 梅野」だ。
場所はとりみ通りの南側、富雄川の交差点から東側に入ってすぐのところ、雑居ビルの2Fというかなり目立たない、入りにくい場所にある。
ビルの1Fの案内はこれだけで、どのような物が食べられるのか、メニューのイメージが全く湧かない。
通りがかりで入る気になる人は正直かなりの強者だろう。
この日、鮨田が定休日で寿司を食べ損ねていなかったら、多分自分も入らなかった。
雑居ビル独特の狭い階段を上がるとすぐ左手にお店はある。
壁には何やら、小学生が書いたような魚の絵が貼ってあり、雑居ビルの店に入る緊張感をいささか和らげてくれる。
それにしてもこのお店の入り辛さは相当なものだ。
女性客一人ならランチで入店はかなりためらうかもしれないが、結論から言うと店主も奥さんもとても気さくでホスピタリティあふれるお店なので、安心して入って欲しい。
この日はランチで入店したが、メニューはシンプルに1通りの用意とのことだった。
ランチメニューがあるわけではなく昼夜共通。
夜にもこの値段で頂けるのであればとてもお得感がある。
なお夜はお酒も飲めるので海鮮居酒屋としても楽しめそうだ。
壁には小学生が書いたと思われる「店名です まぐろ丼 かいせん丼 梅野」というクシャクシャになったA4の紙が貼ってある。
料理を待っている間に、小学生の男の子と女の子が「いらっしゃいませ!」とかわいい声を掛けに来てくれた。
どうやら入り口の絵の画伯もこの二人であろう、気持ちのよい掛け声に、明るく元気に育てれられていることが窺える。
このような店主の作る食べ物はきっと美味しいに違いないと期待が膨らむ。
サーモンイクラ丼1,800円に海鮮ガッツ丼1,500円だ。
サーモンイクラ丼はそれほどのインパクトがあるわけではなかったが、この海鮮丼はなんだ・・・
1,500円でこんなに盛り沢山にのっけて良いのかと、驚くというよりも呆れた。
これは凄い、一体何種類盛っているんだと、採算がとれるのかと心配になるほどだ。
わかった限りで、いくら、サーモン、エビ、ホタルイカ、しらす、クラゲ、ヒラメ、タイ、タコ、つぶ貝とミル貝と思われる貝、本マグロの中落ち、カンパチ、ハマチが盛ってある。しかもそれぞれが一切れだけ、ということはなく、何枚か盛り込んである。
白身はもう少しあったかもしれない。
これで1,500円は冗談だろうと思う。関西の海鮮丼屋はマグロと言えば安いキハダやメバチを盛り込むところが圧倒的に多いが、本マグロを盛り込んじゃって良いのかと、かなりの仕入原価であることは間違いない大盤振る舞いだ。
白身も新鮮で冷凍ものではない。魚の脂の甘味をふわっと感じられるかなり良いものだろう。旨い。
鮮魚を扱うお店であまり客数の望めない立地なら、品数を絞ってロスが出ないようにしたくなるものだが、このお店は全くそのようなことがない。
これだけの食材を仕入れてしかも鮮度も良いので、本当に毎日、ガッツリと大阪の市場に仕入れに行っているのだろう。かなり度胸の要る経営姿勢だ。
食材ロスも多いはずだが、この大盤振る舞いにはリピーターがつくことは確実なお得感のあるメニューだ。
帰り際にお聞きしたら、お店は2016年9月末頃からおやりになっているとのことだったので、訪問時で開店半年ということになる。
駐車場がないので生駒からは足が向きにくいかもしれないが、とりみ通りの富雄川のほとりの時間貸しに駐めて行けば徒歩3分なので、便利が良いだろう。
1500円でこの内容が楽しめるので、時間貸しに車を駐めて訪問しても、十分に価値がある良いお店だ。
【店舗データ】
店名:まぐろ丼・海鮮丼 梅野
所在地:奈良市富雄元町2丁目6-40
定休日:不定休
TEL:非公開
営業時間 :11:30~14:00 17:30~21:30頃
駐車場:無し
子供連れ:OK(歓迎)
Webサイト:-