平成29年度・2017年度の第3師団創立記念行事が、今年も5月14日(日)に、千僧駐屯地で開催されることが第3師団から発表された。
なお、私事で恐縮だが以前、東日本大震災の前後に防衛省の防衛モニターを拝命していたことがある。
防衛モニターは自衛隊の行事やイベントごとに招いて頂き、防衛政策に意見しレポートを提出するのが仕事だが、僅かながら報酬ももらえる、防衛省の嘱託職員だ。
そのこともあって、第3師団創立記念祭には、来賓として2度招いてもらったことがあり、その際に来賓席から写真を多数撮影できたので、第3師団創立記念行事の様子について、その際の画像を元に紹介したい。
なお私が座っていたのは上の画像、中央付近のカメラが撮影している場所の直下で、かなりいい場所だった。
第3師団は中部方面隊隷下にある部隊で、近畿地方全域をその担当方面に置いている。
近畿地方各地に設置されている駐屯地を束ねる上級司令部と考えていいだろう。
そのため、各地で行われる「駐屯地開設記念祭」よりも、師団の開設記念行事は大規模になり、隷下にある各駐屯地から様々な部隊が集結するので、自衛隊ファンとしては絶対に外すことができない行事だ。
イベントでは、隷下にある各駐屯地から様々な戦闘車両・戦闘支援車両が集結する。
観閲官に対し敬礼を送りながら、装甲車や通信車が行進する。
なお、この際に指揮官を務めていたのは当時第3師団副師団長で、昇進したばかりだった山之上哲郎・陸将補だったが、とても見事な指揮を執られていた。
その後順調に出世し、今では(2017年4月現在)陸将・東北方面総監という重責を担われている。
方面隊とは陸上自衛隊最大の組織単位で、方面総監はそのトップだ。
日本には全国に5つの方面隊があるが、その東北方面隊の指揮官ということになる。
その上に居るのが陸上自衛隊のトップ、陸上幕僚長で、陸上幕僚長は5人いる方面総監の中から昇進して選ばれることになっている。
行進にはもちろん、重火力も堂々の行進を見せてくれる。
上のFH-70 は155m榴弾砲として知られ、最大射程は24kmという重火器だ。
この千僧駐屯地から撃てば、神戸あたりまで飛ぶことになるだろうか。
戦車は、残念ながら第3師団は最前線として戦車の整備は為されていないので、最新式ではない74式戦車だ。
配備からすでに40年が経過しているおじいちゃんだが、それでも車両数から言えば日本の主力戦車といえるだろう。
もちろん、その性能は日本の防衛の要になる、頼りになる可愛いヤツだ。
第3師団隷下には八尾に陸上自衛隊・中部方面航空隊もあるので、展示飛行も行ってくれる。
何度か往復をしてくれる上に、天候によってはかなり低空を飛んでくれるので迫力満点だ。
ヘリの展示飛行と言うだけでもかなり非日常だが、それが軍用機なので好きな人には最高にテンションが上がるだろう。
イベントでは、模擬戦闘訓練の様子も公開される。
中でも圧巻なのは、FH-70や74式戦車の空砲発射だ。
「耳をふさいで下さい」というプラカードが出るが、多少耳をふさいだくらいでは役に立たないものすごい爆音が轟く。
非日常の楽しみ極まって、最高にテンションが上がると思うが、小さな子供は間違いなく悲鳴をあげて泣き出す。
未就学児や小学校低学年では相当驚くと思うので注意しよう。
なお、毎年大人気のイベント、富士総合火力演習では戦車の実弾が発射されるが、実弾の凄さはさらに、空砲の比ではない。
発射の瞬間に空気が壁になり、観客席に襲いかかる。
あちらは未就学児は確か参加できないことになっていたはずだが、もし日程の都合が合うようなら、あちらも応募してみて欲しい。
倍率は相当なものだが、当選できればかなり楽しめるだろう。
ちなみに抽選に外れても、富士総合火力演習に招待をしてもらえる、全く不正行為を行わない、誰でも使える方法があるのだが、興味がある人がいれば問い合わせて欲しい。
イベントでは自衛隊カレーなどの模擬店が出るほか、ちょっとしたランチには十分なお店も出店があるので、特にお弁当などの準備はいらないだろう。
なお、十分に注意をしてほしいのは基地内での立ち居振る舞いだ。
楽しい行事のようでも、自衛隊はれっきとした軍事組織で、記念祭の会場と言えども、少し注意深く周囲を見れば、監視カメラや不審者の発見に目を光らせる隊員の姿を目撃することになるだろう。
一般来場者では気が付かないが、かなり緊張感のあるイベント運営が為されている。
そのため、会場には必要最小限の荷物だけを持ち込んで欲しい。
できればお弁当などは持ち込まず、荷物はあくまでも手回り品だけで、会場内で販売される模擬飲食店を利用するようにしよう。
なお、基地内でしか買えないTシャツの販売などもあり、私も画像のようなものを買ってしまった。
これを着て外を歩くと、皆が二度見をしてきた。人気者である(勘違い)。
なお、会場には招待者以外の駐車場はない。
最寄りの阪急伊丹駅・JR伊丹駅から送迎バスが運行されるので、出かける際には必ず公共交通機関を利用して出かけて欲しいので、併せて注意をお願いしたい。
【イベントデータ】
名称:第3師団創立56周年記念行事
開催場所:千僧駐屯地
所在地:兵庫県伊丹市広畑1-1
年月日:2017年5月14日(日)
開催時間:10:00~
問合せ先:072-781-0021(千僧駐屯地)
料金:無料
駐車場:無し
目安所要時間:1時間20分
※所要時間の目安は生駒駅から公共交通機関を使った際の最短時間
※写真は過去のイベントの際に撮影をしたもの