奈良県生駒市・小平尾にある音の花温泉に併設された食事処、音の花亭。
温泉に併設されたレストランなど美味しくないに決まってると思われるかもしれないが、ここは相当非常識だ。
非常識なくらい、旨い。
スーパー銭湯(ここは天然温泉なので厳密には違うが)なのに、なぜここまでレストランに力を入れているのだろうか。
特にお寿司やお造り系が絶品である。
メニューが増殖しているのか、通常のお品書きとホワイトボードに加え、壁にも手書きのメニューが大量に貼ってある。
どこを見て食べたいものを決めればいいというのか。
毎日市場から魚を仕入れているということだったので、おそらく入荷状況によっておすすめメニューも変わってくるのだろう。
ちなみに温泉入口には巨大な生け簀があり、鯛やエビなどが悠然と泳いでいる。
どこのスーパー銭湯にこんな生け簀が置いてあるのかと、有馬温泉の高級旅館に来たんじゃないんだぞと、呆れるばかりである。
それにしても、音の花御膳の内容はこの値段で良いのだろうか。
鯛フライに鯛お造りに和牛ステーキと、盆と正月を一緒に出してくるような贅沢なメニューで1500円とか、正気の沙汰ではない。
ご飯だけでなくミニうどんまでついてるとか、どこまで食べる人を満足させたいのか。
経営者はきっとかなりのお人好しなのだろう。
鯛やお造りがウリの店だと言うのに、家族Aと家族Bはひねくれものなので、このメニューである。
親子丼にマグロステーキ。
横から頂き、もちろん美味しかったが、特段のコメントが思い浮かばないので次に行く。
家族Cと家族Dはオススメには素直に従うタイプなので海鮮丼と上にぎりだ。
画像ではわかりにくいが、切り身の大きさがやたらデカい。
1貫の切り身が、100円寿司の2倍以上はある。
握りに使われているマグロはおそらくミナミマグロだ。脂が甘くて美味しい。
海鮮丼と握りどちらにも盛り込まれているウニは、原型も元の味もわけがわからないようなミョウバン漬けのものではない。
鼻に抜ける香りが甘く、ただため息を付きたくなるだけのような、極上のウニだ。
正直、温泉施設でここまで上等なウニを使う理由がわからない。
どうせ温泉上がりのオッサンがビール片手に食べるものなのだから手を抜いてもいいじゃないか、どうせわからない、と思わないでもないが、公式Webサイトには、
「毎朝、新鮮なお魚を市場から仕入れ、旬の食材にこだわり、お客様に感動していただけるお料理をご提供いたします。」
とあるように、温泉と食事の両方に満足してほしいのだろう。
十分感動的である。
そしてココのお風呂は、その辺の温泉旅館など比べ物にならない感動の巨大露天風呂なので、食事処と併せてどちらも満足度が高い。
極めつけは、鯛の姿握りである。
姿お造りもできるが、生け簀で泳いでいる鯛を丸々一匹、その場で調理して出してくれる。
寿司屋で頼めば3000円以下では頂けないだろう。
画像ではわかりにくいが左下には、鯛で一番美味いが調理技術に手間がかかる皮ぎしまで、握り込まれている。
この姿握り、いくらで頂けるとお思いだろうか。
皮ぎし4貫に寿司14貫で、なんと1500円という、破格の値段だ。
スシローなら9皿分で972円だが、わずか500円の差である。
余り褒めすぎると値上げされかねないので程々にしたいが、鯛やお造りがウリの店だけある。
味ももちろん、鯛の脂身の甘い香りが鼻に抜け、心地よい後味がいつまでも口に残る絶品のものだ。
ぜひ、お店の名物としてクオリティも価格も、このまま維持して欲しいものである。
一時期、格安クーポンサイトのグルーポンにアホみたいにクーポンを出している時期があり、県外ナンバーが目立ち人で溢れていたが、最近はそういうこともなく、広々とした露天風呂を心置きなく楽しめる音の花温泉に戻っている。
そう言えば昔、グルーポンに出品した直後の「串まさ」に行ったことがあるが、お店のオペレーションが全く追いつかずに、店長と店員がケンカしているのをみたことがある。
今はうなぎの川はらに変わった奈良市押熊町の店舗だが、グルーポンに出して店がパンクしネット上に悪口雑言を書かれまくって店が潰れるとか、誰が得をしたというのだろうか。
いい店はムリをせずに、静かにファンを増やしてもらいたいと思う。
音の花温泉も一度利用してそう思ったのだろうか。
ぜひこれからも、そうして欲しい。
【店舗データ】
店名:音の花亭
所在地:生駒市小平尾町1008-12
定休日:水曜日
TEL:0743-76-3530
営業時間 :9:00~22:00(LO 21:30)
駐車場:十分あり
子供連れ:OK
Webサイト:音の花温泉公式Webサイト